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Cherish

  • 作曲: KIRKMAN TERRY
#洋楽ポップス
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Cherish - 楽譜サンプル

Cherish|歌詞の意味と歴史

基本情報

1966年にThe Associationが発表したバラード「Cherish」は、テリー・カークマン作曲・作詞。Billboard Hot 100で3週1位を獲得し、同グループの代表曲となった。ジャンルはサンシャイン・ポップ/ソフトロック。緻密なコーラスと穏やかなテンポが特徴で、優美なメロディが耳に残る。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“cherish”は「大切にする」の意。歌詞は一人称で、相手を深く尊び長く関係を育む決意を静かに語る。一時の情熱より献身や誠実さに重心があり、自省をまじえた表現が連なる。抑制の効いた語り口と豊かなハーモニーが、成熟した愛の確かさと、思いを言葉にする勇気の重みを印象づける。

歴史的背景

60年代中盤のロサンゼルスでは、フォーク・ロックと洗練されたポップが結び付き、サンシャイン・ポップが形成された。The Associationは多声部アレンジでその潮流を牽引し、「Cherish」は「Along Comes Mary」と並び初期の決定打となった。都会的で明瞭な録音美と合唱の精度が時代の気分を象徴する。

有名な演奏・映画での使用

主なカバーでは、1971年のデヴィッド・キャシディ版が全米9位・全英2位を記録し、楽曲を新たな世代へ広めた。バリー・マニロウによるメドレーなど再解釈も多い。映画での顕著な使用は情報不明。なおKool & The Gangの同名曲(1985年)は別作品で、作家も内容も異なるため混同に注意。

現代における評価と影響

本曲はサンシャイン・ポップの基準曲として評価され、「Windy」「Never My Love」と並ぶThe Associationの象徴的レパートリー。精密なコーラスと柔らかなダイナミクスは、後年のソフトロックやAORのプロダクション思想—歌を中心に据え、装飾を抑えて奥行きを作る手法—にも影響を与え続けている。

まとめ

静かな告白を核に、編曲と合唱の美しさで普遍的な愛を描いた「Cherish」。派手さより言葉とハーモニーを生かす設計により、発表から半世紀を超えても色褪せない魅力を保つ。歌詞の真意と時代背景を併せて理解することで、楽曲の完成度がより鮮明に感じられるだろう。