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For Your Love

  • 作曲: GOULDMAN GRAHAM KEITH
#洋楽ポップス
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For Your Love - 楽譜サンプル

For Your Love|歌詞の意味と歴史

基本情報

「For Your Love」は、作曲・作詞ともにGraham Gouldman(GOULDMAN GRAHAM KEITH)による楽曲。1965年にザ・ヤードバーズのシングルとして発表され、大ヒットを記録した。ハープシコードを特徴とする独創的なアレンジと、ポップとブルースを架橋するサウンドで広く知られる。原詞は英語で、コンパクトな楽曲構成ながら強いフックを持つ。

歌詞のテーマと意味

歌詞の語り手は、相手の愛を得るためなら何でも差し出すと誓い、献身と切望を誇張的な比喩で描く。取引を思わせる言い回しは、自己犠牲と願望のせめぎ合いを浮かび上がらせ、単純な求愛を超えた心理的緊張を生む。物語的背景や固有名詞を極力排した普遍的語り口により、時代や聴き手を問わず共感が生じやすいのが特徴である。

歴史的背景

作者グールドマンは当時10代後半の若きソングライターで、後にThe Hollies「Bus Stop」やHerman’s Hermits「No Milk Today」などで評価を高める。本作はザ・ヤードバーズにとって転機となり、R&B色の濃い初期路線からよりポップ志向へ舵を切るきっかけとなった。シングルの成功後、音楽的方向性の相違からエリック・クラプトンが脱退し、ジェフ・ベック加入へとつながった出来事でも語られる。

有名な演奏・映画での使用

代表的な演奏は、ザ・ヤードバーズのオリジナル・シングル音源で、ハープシコードの鋭い響きとパーカッションの推進力が印象的である。ライブではテンポの推進力が強調され、ギターの装飾的フレーズが増す演出が一般的。多くのアーティストによるカバーが存在するが、網羅的な一覧は情報不明。映画・ドラマでの顕著な使用例についても情報不明。

現代における評価と影響

ハープシコード導入によるバロック的色彩と、R&Bルーツのダイナミズムを両立させた点は、英国ロックの実験性を象徴するものとして評価される。ブリティッシュ・インヴェイジョン期におけるポップとアート志向の接点を示し、後続のバロック・ポップやサイケ期の編曲志向にも影響を与えたとされる。現在も定番コンピレーションやクラシック・ロックの文脈で頻繁に取り上げられる。

まとめ

「For Your Love」は、献身的な愛を歌う普遍的テーマと、当時革新的だった鍵盤の音色が結びついた名曲である。ヤードバーズの進路を変え、1960年代中盤のロックが持つ可能性を拡張した重要作として位置づけられる。グールドマンの職人的ソングライティングと強力なフックは、現在も色褪せずに受け継がれている。