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Singing The Blues

  • 作曲: ENDSLEY MELVIN
#洋楽ポップス
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Singing The Blues - 楽譜サンプル

Singing The Blues|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Singing The Blues」は、メルヴィン・エンズリー作の1956年の楽曲。最初の録音はマーティ・ロビンス版として知られ、その後ガイ・ミッチェルのカバーがポップ市場で大きく広まり、カントリーとポップの橋渡しをした。覚えやすい旋律と軽快なビート、口笛も似合う陽性のムードが持ち味。タイトルとコーラスのフックが強く、初聴でも印象に残るシンプルさが成功の鍵となった。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り、「ブルースを歌う」=失恋や憂鬱を歌に託して解消しようとする心情を描く。悲しみを率直に吐露しつつも、明るいテンポと相まって前向きな諧謔が漂うのが魅力。平易な日常語の反復フレーズが強力なフックとなり、世代や国を超えて共感を呼んだ。感傷に沈み切らず、軽やかに痛みを受け止める姿勢は、当時のポップ/カントリー双方のリスナーに開かれた普遍性を持つ。

歴史的背景

1950年代半ば、カントリーのポップ化が進み、ロカビリーやナッシュビル・サウンドが勃興。ロビンスの穏やかなカントリー感と、ミッチェルによるよりポップなアレンジが並走し、同一楽曲が異市場で受け入れられる“クロスオーバー”の潮流を象徴する存在となった。電気ギターと軽快なリズム・セクション、口ずさみやすいメロディの組合せが、ラジオ時代のヒットの条件を満たし、幅広い聴衆に届いた。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音はマーティ・ロビンスとガイ・ミッチェル。英国ではトミー・スティール版もよく知られる。以降も多くの歌手に取り上げられてきたが、網羅的なカバーの数や詳細は情報不明。映画やドラマでの使用例についても、確証のある資料は情報不明。とはいえ、オールディーズ系のコンピレーションやラジオ番組での定番曲として継続的に流通しており、世代交代の中でも聴かれ続けている。

現代における評価と影響

素朴で強靭なメロディと普遍的な失恋テーマにより、オールディーズ番組やライヴの定番曲として定着。カントリー/ポップの境界を越える楽曲運命は、その後のクロスオーバー・ヒットの原型のひとつと評価される。キーの取りやすさと構成の明快さから、ステージのウォームアップやセッションの共通レパートリーとしても重宝され、現在でもカバーの入口として選ばれやすい。

まとめ

「Singing The Blues」は、1956年の誕生から今日まで、悲しみを歌に変えるという人間的な衝動を軽やかに描き続けてきた。確かなメロディと親しみやすい言葉運びが時代を超えて効き、入門にも再発見にも値する一曲だ。カントリーとポップの接点を示した歴史的意義と、日常に寄り添う普遍性。その両輪が、今なお新しいリスナーに届く理由である。