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Hound Dog

  • 作曲: LEIBER JERRY,STOLLER MIKE
#洋楽ポップス
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Hound Dog - 楽譜サンプル

Hound Dog|歌詞の意味と歴史

基本情報

『Hound Dog』は、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが書いたR&B/ロックンロールの代表曲。最初のヒットはビッグ・ママ・ソーントンの録音(1952年収録)で、その後エルヴィス・プレスリーのカバー(1956年)が世界的知名度を決定づけた。タイトル表記は英語だが、日本では「ハウンド・ドッグ」とも表記される。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、相手を「ハウンド・ドッグ(役立たずのならず者)」と突き放す痛烈な宣言。原曲では自立した女性が不誠実な男を拒む視点が鮮明で、ブルース的な強さが核をなす。エルヴィス版では言い回しやノリが軽快化し、十代のダンス文化と結びついた挑発的ユーモアとして機能した。全文引用は避けるが、リフレインの鋭い反復が印象を刻む。

歴史的背景

1950年代初頭、R&Bがポップ市場へ越境する流れの中で本作は誕生。ソーントンの濃厚なシャウトとジャングル・ビート風のグルーヴが原曲の魅力で、作家チームの語り口の巧さが際立つ。エルヴィスはロカビリー的推進力を加え、テレビ出演を通じて“新しい若者文化”の象徴へと押し上げた。腰の動きをめぐる論争も話題となった。

有名な演奏・映画での使用

代表的な演奏は、ビッグ・ママ・ソーントンのオリジナルと、エルヴィスのテレビ・パフォーマンス(ザ・ミルトン・バール・ショー、スティーブ・アレン・ショー、エド・サリヴァン・ショー)。映画での使用例は多数あるが、本記事では網羅的な作品名は情報不明。象徴的場面での引用が多く、1950年代像の喚起に用いられる。

現代における評価と影響

本作は、黒人女性アーティストのオリジナルと白人男性スターの再解釈が交差する歴史的事例として研究対象にもなる。ビートの強度、コール&レスポンス的フック、短いフレーズの反復など、のちのロック定型を規定。無数のカバーやステージの定番曲として生き続け、ポップカルチャーの記憶に深く刻まれている。

まとめ

『Hound Dog』は、リーバー&ストーラーの筆致と、ソーントン—エルヴィス両者の解釈が生んだ時代の結晶。歌詞の痛烈さと踊れる推進力を併せ持ち、R&Bからロックンロールへの橋渡しを体現した一曲である。