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Last Tango In Paris
- 作曲: BARBIERI GATO

Last Tango In Paris - 楽譜サンプル
Last Tango In Paris|作品の特徴と歴史
基本情報
『Last Tango In Paris』は、アルゼンチン出身のサックス奏者ガトー・バルビエリ(表記:BARBIERI GATO)による映画『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)の主題。インストゥルメンタルのため歌詞はなく、作詞者は情報不明。官能的で哀感のある旋律が作品全体のトーンを規定する、映画音楽としての代表的テーマの一つである。
音楽的特徴と表現
中心となるのはテナー・サックスの情熱的な歌い回しと、厚みのあるストリングス。緩やかなテンポに乗る短調系の主題は、タンゴの語法を取り入れつつジャズ的なフレージングで展開される。旋律はレガート主体で、間合いを生かしたフレーズとダイナミクスの緩急が聴きどころ。サックスのビブラートや息づかいが親密さと緊張感を同時に生み、映像の陰影に呼応する音響表現が際立つ。
歴史的背景
1970年代初頭の欧州映画界では、心理描写を重視する作風が台頭していた。バルビエリはラテンのルーツとジャズの即興性を併せ持つ作家として音楽を担当し、都会的な孤独と情熱を音響化する役割を担った。本作で確立されたスタイルは、彼が国際的に広く知られる契機の一つとなり、映画音楽の文脈におけるジャズの存在感を印象づけた。
使用された映画・舞台(該当時)
音楽はベルナルド・ベルトルッチ監督の映画『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972、伊仏合作)で用いられた。主演はマーロン・ブランドとマリア・シュナイダー。舞台はパリで、映画のセンシュアルな空気と陰影を音楽が支える構図が特徴的である。舞台作品や別媒体への展開の詳細は情報不明。
有名な演奏・録音
代表的な音源は、作曲者自身が手掛けたオリジナル・サウンドトラック盤である。以後も作曲者による再演・再録が行われ、コンサート用のバージョンも流通する。第三者アーティストによる著名なカバーやシングルのチャート成績などの詳細は情報不明だが、映画音楽の名テーマとして各種コンピレーションや演奏会で取り上げられる機会は多い。
現代における評価と影響
現在も配信や映像メディアで容易にアクセスでき、映画音楽とジャズの接点を語る際に参照されることがある。濃密なメロディとサックスの音色は時代を超えて聴き手に訴え、都市的な情緒や官能を描く音楽の手本として鑑賞・研究双方の文脈で価値を保ち続けている。
まとめ
『Last Tango In Paris』は、ジャズの語法と映画音楽のドラマトゥルギーが高密度で融合した一篇である。楽器編成の詳細は情報不明な点もあるが、テナー・サックスとオーケストラを中核に据えた表現は明確で、映像と音楽が相互に高め合う稀有な例として今日も支持を集める。映画の余韻とともに記憶に残るテーマとして、長期にわたり愛聴されている。