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The Last Waltz

  • 作曲: REED LES,MASON BARRY (GB)
#洋楽ポップス
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The Last Waltz - 楽譜サンプル

The Last Waltz|歌詞の意味と歴史

基本情報

『The Last Waltz』は1967年に発表された英国発のポップ・バラード。作曲はレズ・リード、作詞はバリー・メイソン。代表的な録音はエンゲルベルト・フンパーディンクで、彼の国際的ブレイクを支えた重要曲として広く知られる。ゆったりとした3/4拍子のワルツに、ストリングス主体の荘厳なオーケストレーションと豊かなビブラートを生かした歌唱が重なり、叙情的でクラシカルなムードを作り出している。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“最後のワルツ”は、恋の終わりを象徴するメタファー。ダンスをともにする至福の時間がやがて別れへと転じる、甘美さと痛みが同居した感情曲線が核にある。語り手は相手への感謝と未練のあいだで揺れ動き、記憶に残る最終の一曲としてその瞬間を胸に刻む。旋律の優雅さに対し、内容はビターな後味を残すため、披露宴やダンスの華やぎと、別離の切なさが対照的に響く。直接の引用は避けつつも、余韻と品位を保つ語り口が、多くの聴き手の心情に寄り添う。

歴史的背景

60年代後半の英国ポップでは、歌詞と旋律の職人芸が結実した“ソングライター・チーム”の作品が台頭。作曲家・編曲家として活躍したレズ・リードと、言葉の運びに長けたバリー・メイソンのコンビは、ドラマ性のあるメロディと大編成アレンジを得意とした。オーケストラを大胆に用いるモダンなイージーリスニング的手法と、歌手の表現力を前面に出すプロダクションが当時の潮流と合致し、本曲はその代表例として位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

エンゲルベルト・フンパーディンクのシングル版が決定的な名唱として知られ、英国シングルチャートで1位を獲得。各国でカバーや翻案が生まれ、とくにミレイユ・マチューによるフランス語版など、多言語展開が行われたことでも有名である。一方、映画での顕著な使用については情報不明。テレビやラジオの懐メロ特集、ボールルームのレパートリーなどで現在も継続的に取り上げられている。

現代における評価と影響

ワルツという古典的形式に、ポップのメロディ感と重厚な編曲を融合させたことで、世代や国境を越えて親しまれている。社交ダンスの教材・発表会の選曲、クロスオーバー系の歌手によるリサイタルなどで定番化し、抒情バラードの規範として参照される機会も多い。別れをテーマにしつつも気品ある情感が保たれており、成熟したラブソングとしての存在感は今も揺るがない。

まとめ

『The Last Waltz』は、優雅な3拍子と壮麗なサウンド、そして胸に迫る別離の物語が三位一体となった名曲である。リードとメイソンの職人的ソングライティング、フンパーディンクの表現力が結実し、時代を超えて歌い継がれてきた。ワルツの魅力を現代的に提示した本作は、バラードのスタンダードとして今後も長く愛され続けるだろう。