アーティスト情報なし
Running Bear (悲しきインディアン)
- 作曲: RICHARDSON J P

Running Bear (悲しきインディアン) - 楽譜サンプル
Running Bear (悲しきインディアン)|歌詞の意味と歴史
基本情報
1959年に発表され、翌1960年にBillboard Hot 100とUK Singles Chartで1位を獲得したジョニー・プレストンの代表曲。作曲・作詞はJ.P.“ビッグ・ボッパー”リチャードソン。物語性の強いポップ/ロックンロールで、録音では作曲者とカントリー歌手ジョージ・ジョーンズが掛け声とコーラスを担当。日本では「悲しきインディアン」の邦題で知られる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、敵対する部族に属する若い恋人ランニング・ベアとリトル・ホワイト・ダヴの悲恋を描く。荒れた川が2人を隔て、やがて互いに飛び込み、抱き合ったまま流されてしまう結末。禁じられた愛と境界越えの代償という古典的テーマを、擬音やコーラスで部族の掛け声や川の音を模す演出とともにドラマチックに語る。一方で具体的な民族像の裏づけはなく、ステレオタイプ表現として議論の対象にもなる。
歴史的背景
本作は50年代末の物語仕立てポップ、いわゆる“ティーン・トラジェディ”系ヒットの文脈に位置する。作者リチャードソンは1959年2月の航空機事故(“The Day the Music Died”)で逝去しており、曲の世界的成功は没後に到来。録音段階からの彼の関与と、覚えやすいコーラスがラジオで強く機能したことが成功要因とされる。
有名な演奏・映画での使用
代表的録音はジョニー・プレストンのオリジナル。1969年にはソニー・ジェイムスがカントリー・アレンジでカバーし、全米カントリー・チャート1位を獲得。以降もオールディーズの定番として多くの歌手が取り上げる。映画での顕著な使用例は情報不明。
現代における評価と影響
今日では印象的なフックと物語性によりオールディーズ番組やプレイリストで継続的に流通する一方、ネイティブ・アメリカン表象の扱いには配慮が求められる。批評や教育の場では、ヒット歌謡の魅力と表象の問題点を同時に学ぶ事例としてしばしば参照される。
まとめ
短い物語を音響的ギミックとともに刻むポップの典型。1959年の制作、1960年の世界的成功、そして多彩なカバーは、普遍的なフックと時代特有の課題を併せ持つ楽曲であることを示している。