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Somewhere Out There (アメリカ物語)

  • 作曲: HORNER JAMES,MANN BARRY
#洋楽ポップス#映画音楽
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Somewhere Out There (アメリカ物語) - 楽譜サンプル

「Somewhere Out There (アメリカ物語)|歌詞の意味と歴史」

基本情報

「Somewhere Out There」は、1986年の長編アニメ映画「アメリカ物語(An American Tail)」の主題歌。作曲はJames HornerとBarry Mann、作詞はCynthia Weil。映画本編では離れ離れになった兄妹フィーベルとターニャがそれぞれの場所で歌う印象的なデュエットとして用いられ、エンドクレジットではLinda RonstadtとJames Ingramによるポップ・バージョンが流れる。シングルは全米ビルボードHot 100で2位を記録し、1980年代を代表する映画発のバラードとして広く知られる。作品は後年、グラミー賞で2部門(最優秀楽曲賞ほか)を受賞し、アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされた。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「離れていても同じ空の下でつながっている」という希望を軸に展開する。大切な人を想い、再会の瞬間を信じる切なる祈りが、静かな導入からサビに向かって高まる旋律に重ねられる。映画の物語(移民の家族が再会を目指す旅)と響き合い、孤独と不安の中にも灯る信頼や愛情を普遍的に描く点が特徴だ。二人の声が隔たりを越えて呼応する構成は、「距離」と「心の近さ」の対比を音楽的に可視化し、上行するメロディや豊かなストリングスが希望の光を際立たせる。直接的な情景描写よりも感情の核を丁寧にすくい取るため、世代や言語を越えて共感を得てきた。

歴史的背景

映画はドン・ブルース監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮による作品で、19世紀末の移民の苦難と家族の再会を描く。映画音楽家として活躍していたジェームズ・ホーナーが、ポップスの名匠バリー・マン、作詞家シンシア・ウェイルと組むことで、劇伴とポップ・ソングの橋渡しとなる普遍的なバラードが生まれた。80年代の映画主題歌はチャートと密接であり、本曲もその潮流の中で映画の感動を大衆的ヒットへ昇華。シネマティックなオーケストレーションとラジオ向けの親和性を両立させたことが成功の鍵となった。

有名な演奏・映画での使用

本編では、離れた場所で同じ月を見上げながら兄妹が歌う場面が物語の感情の核を担う。エンドクレジットのRonstadt & Ingram版は、温かなハーモニーと伸びやかな高音で楽曲の普遍性を強調し、シングルとして大ヒット。以後、テレビ特番やコンサートでしばしば取り上げられ、合唱や児童合唱の編成でも定番化した。映画由来の楽曲として、シーンの再文脈化(家族・離別・再会のモチーフ)に適し、各種イベントやトリビュートでも歌い継がれている。

現代における評価と影響

「Somewhere Out There」は、映画発のポップ・バラードの成功例として今日も高く評価される。希望と再会を願う普遍的テーマ、覚えやすくも情感豊かな旋律、デュエットの親密な設計が相まって、多言語・多文化圏でカバーが継続。映画音楽とポップスの境界を軽やかに横断した代表作として、のちの主題歌バラード(アニメ/実写を問わず)に参照されている。教育現場や合唱のレパートリーでも定着し、世代交代の中でも解釈が更新され続けている点も注目に値する。

まとめ

本曲は、離別の痛みと希望の灯をシンプルかつ格調高く結晶化した映画主題歌である。ホーナー、マン、ウェイルの協働により、物語の感動がポップ・ソングとして普遍化され、チャートと受賞歴がその質を裏付けた。今なお人々をつなぐデュエット・バラードの決定版として、映画と音楽の理想的な出会いを体現している。