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The Washington Square ワシントン広場の夜はふけて

  • 作曲: GOLDSTEIN BOB,SHIRE DAVID LEE
#洋楽ポップス
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The Washington Square ワシントン広場の夜はふけて - 楽譜サンプル

The Washington Square ワシントン広場の夜はふけて|楽曲の特徴と歴史

基本情報

1963年に発表されたインストゥルメンタル曲。作曲はBob GoldsteinとDavid Lee Shire。米国のグループ、ザ・ヴィレッジ・ストンパーズの演奏で広く知られ、邦題「ワシントン広場の夜はふけて」として日本でも定着した。原題は“The Washington Square”。ビルボード・ホット100で2位を記録し、当時のイージー・リスニング系チャートでも首位を獲得するなど国際的ヒットとなった。歌詞は存在せず、メロディとアンサンブルの魅力で支持を集めた。

音楽的特徴と演奏スタイル

ディキシーランド・ジャズの軽快さとフォーク由来の素朴な質感を併せ持つサウンドが核。バンジョーを軸に、クラリネットなどアコースティック主体のアンサンブルが朗らかな主旋律を支える。テンポは中速、印象的なシンコペーションと2ビートの推進力が都会の広場のにぎわいを想起させる。メロディは覚えやすく、機能和声中心の明快なハーモニーにより、小編成から大編成まで編曲の自由度が高い点も長く愛奏される理由となっている。

歴史的背景

タイトルはニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジの象徴的空間ワシントン・スクエアに由来。1960年代初頭は同地を中心にフォーク・リバイバルが盛り上がり、街角の音楽文化が注目を浴びた時代だった。共同作曲者デイヴィッド・リー・シャイアはのちに映画音楽の分野でも活躍する作曲家として知られるようになり、本曲はその初期キャリアを飾る代表作の一つとされる。都市文化と庶民的な娯楽音楽が交差した時代相の結晶といえる。

有名な演奏・録音

決定的な録音はザ・ヴィレッジ・ストンパーズ版で、世界的に流通したシングルが基準点となる。その後、ダンス・バンド、ムード・オーケストラ、ジャズ系小編成など多様な編成でのカバーが登場し、各国でインスト名曲として定着。日本でもインストゥルメンタルの名曲コンピレーションなどで繰り返し紹介され、世代を超えて聴かれ続けている。特定の映画やドラマでの顕著な使用は情報不明。

現代における評価と影響

ノスタルジックで親しみやすい旋律と軽快なアンサンブルは、世代を超えて高い好感度を保ち、レトロ・アメリカーナや都市風景を想起させるBGM的文脈でも重宝される。編成を問わずアレンジしやすいため、アマチュアからプロのステージまで幅広く取り上げられ、プレイリストやコンピレーションでも常連。インストゥルメンタルの入門曲としても適しており、ポピュラー音楽史における「歌なしヒット」の代表例として位置づけられる。

まとめ

ワシントン広場の夜はふけては、1960年代の都市文化の空気を封じ込めた、バンジョー主体のインスト名曲。明快な旋律と軽快なビート、時代のムードを映すタイトルが普遍的魅力の源泉だ。原盤の魅力を軸に、用途や編成に応じた多彩なカバーが生まれ続け、今なおリスナーと演奏家の双方から支持を集めている。