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I Started A Joke

  • 作曲: GIBB BARRY ALAN,GIBB MAURICE ERNEST,GIBB ROBIN HUGH
#洋楽ポップス
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I Started A Joke - 楽譜サンプル

I Started A Joke|歌詞の意味と歴史

基本情報

I Started A Jokeは、ビージーズによる1968年の楽曲。作曲・作詞はバリー、モーリス、ロビンのギブ三兄弟で、アルバム『Idea』に収録され、その後シングルとして各国でヒットした。リード・ボーカルはロビン・ギブが担当し、穏やかなテンポと豊かなハーモニー、オーケストラ的な響きが特徴のバラードである。レーベルや細かな制作クレジットの詳細は地域によって異なるため情報不明とし、本稿では作品の意義と受容に焦点を当てて解説する。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「冗談を始めたつもりが、世界を泣かせ、最後には自分が泣いた」という逆説的なイメージを軸に、自己認識のずれ、孤独、後悔を描く。自意識の滑稽さと、その裏に潜む痛みを静謐に掘り下げ、罪や償いを明示せずに暗示する書法が、聴き手の解釈の余地を広げている。決定的な出来事を語らず、比喩と言い回しで心象を積み上げるため、個人的な失敗から社会的な疎外まで多層に読める点が長く支持される理由である。

歴史的背景

1968年はロック/ポップにおけるバロック化、ストリングス導入が進んだ時期で、ビージーズも豊潤なコーラスと管弦編成を取り入れた作品群で評価を得ていた。本曲はディスコ時代以前の“初期ビージーズ”を代表するバラードで、英国ポップの叙情性とアメリカ市場での受容を橋渡しした存在といえる。グループのハーモニー技術とロビンのヴィブラートを主体とする歌唱が、時代の空気と個人的内省を結び付け、国際的な人気の基盤を固めた。

有名な演奏・映画での使用

本曲はカバーも多く、ロック・バンドのFaith No Moreによるヴァージョンが広く知られる。また、映画『スーサイド・スクワッド』(2016)の初公開トレーラーでは、同曲のダークなカバーが用いられ、楽曲の哀感を新たな文脈で提示した。オリジナル版はビージーズのライブでもたびたび取り上げられ、ロビンのリードを中心に、最小限の伴奏から壮麗な編成まで幅広いアプローチが試みられてきた。

現代における評価と影響

I Started A Jokeは、ジャンルを超えて演奏される“普遍的なバラード”として定着している。メロディの記憶性と歌詞の解釈可能性が高く、シンガー・ソングライターやオルタナ系のアーティストにも支持が広がる要因となった。配信時代においてもプレイリストや映像作品の選曲で再発見され、若い世代のリスナーに接続され続けている点は注目に値する。

まとめ

ビージーズのI Started A Jokeは、内省的な歌詞、印象的なメロディ、濃密なハーモニーが結晶したバラードの代表作である。1968年の時代性を宿しつつ個人的な感情に深く触れる普遍性を備え、カバーや映像使用を通じて現在も新たな聴き手を獲得している。名曲として語り継がれる理由は、言葉にしきれない痛みと救いの気配を、歌とサウンドで静かに伝える力にある。