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I've Never Been To Me (愛はかげろうのように)

  • 作曲: MILLER RONALD NORMAN,HIRSCH KENNY
#洋楽ポップス
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I've Never Been To Me (愛はかげろうのように) - 楽譜サンプル

「I've Never Been To Me (愛はかげろうのように)|歌詞の意味と歴史」

基本情報

Ron MillerとKenny(Kenneth)Hirschによるポップ・バラード。1977年にCharleneがMotown傘下から発表し、日本では「愛はかげろうのように」の邦題で広く知られる。しっとりしたテンポ、ストリングスを中心としたアレンジ、そして途中にスポークン・モノローグを含むバージョンが存在するのが特色。作詞は主にRon Miller、作曲はKen Hirschによる共作である。

歌詞のテーマと意味

豪華な旅や恋を重ねながらも心の空虚さに気づいた語り手が、自分自身に“まだ出会っていない”という痛切な自己省察に至る物語。享楽と自由のイメージを反転させ、充足とは何か、選択の代償とは何かを静かに問い直す。母親となった女性に語りかけるモノローグ版では、価値観の転機がより鮮明に描かれ、聴き手に人生の優先順位を考えさせる構造になっている。

歴史的背景

当初のリリースは大きな反響を得られなかったが、1982年に米フロリダのラジオ局でのオンエアをきっかけに再評価され、Motownが再リリース。米Billboard Hot 100で3位、英国シングルチャートで1位を記録し、世界的ヒットへと躍進した。作者のRon Millerは「For Once in My Life」でも知られるMotownの名ソングライターで、本曲も70年代末〜80年代初頭のアダルト・コンテンポラリー路線を象徴する一曲として位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

決定版はCharleneの録音。バージョンによってモノローグの有無や歌詞の細部が異なり、ラジオ向けの編集も存在する。映画『プリシラ』(The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert, 1994)で印象的に使用され、以降もテレビ番組やコンピレーションで再発見され続けている。その他の具体的な映画・ドラマでの使用情報は情報不明。

現代における評価と影響

自己回想を軸にした語り口、甘美なメロディ、ドラマティックなアレンジは、後年のポップ・バラードに通じる表現を先取りした。歌詞の価値観をめぐり賛否も生むが、率直な自己告白のスタイルは多くのシンガーに影響を与え、カバーや引用の文脈で語られることが多い。日本でもカラオケやラジオの定番として根強い人気を保っている。

まとめ

『I've Never Been To Me(愛はかげろうのように)』は、華やかさの陰に潜む孤独と自己発見を歌い上げた名バラード。1977年の発表から1982年の大ヒットを経て、人生を省みる普遍的なメッセージで今なお聴き継がれている。