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Everywhere Calypso

  • 作曲: ROLLINS SONNY
#スタンダードジャズ
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Everywhere Calypso - 楽譜サンプル

Everywhere Calypso|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Everywhere Calypsoは、テナーサクソフォン奏者ソニー・ロリンズによるインストゥルメンタル曲。タイトル通りカリプソの躍動感を核に据えた作品で、正式な歌詞は存在しない。作曲者はROLLINS SONNY。初出年や初録音、オリジナル収録アルバムは情報不明だが、ロリンズのレパートリーの中でカリプソ系楽曲群と並び称されることが多い。一般には小編成のコンボで演奏される。

音楽的特徴と演奏スタイル

最大の特徴は、軽快なシンコペーションと裏拍のアクセントが生むカリプソ・グルーヴ。明快で口ずさみやすいテーマを起点に、モチーフ展開を重ねるロリンズらしい即興が映える。ベースは跳ねる二拍感を支え、ドラムはクロススティックやシャッフル気味のパターンで推進力を作る。和声や形式の詳細は情報不明だが、テーマとヴァンプを行き来しつつソロを発展させる設計が想定される。

歴史的背景

ロリンズは幼少期からカリブ音楽に親しみ、とりわけ母の出身地である米領ヴァージン諸島の文化的影響が知られる。1950年代以降、彼はジャズにカリプソを果敢に導入し、その代表例として広く知られるのが「St. Thomas」である。本曲もその系譜に位置づけられ、ダンス音楽の親しみやすさとハードバップ以降の即興言語を結びつけている。初演年や制作背景の詳細は情報不明。

有名な演奏・録音

本曲の初演や決定的名盤の情報は現時点で情報不明。ディスコグラフィー上では表記ゆれ(The Everywhere Calypso など)が見られる場合もある。いずれの録音でも、テーマ後に長尺のソロを配し、合図的なブレイクやヴァンプで観客の手拍子を誘う構成が採られることが多い。ロリンズ自身の演奏では、音価を伸縮させるリズム処理と動機反復が白眉とされる。

現代における評価と影響

現在も小編成ジャズのレパートリーとして取り上げられ、カリプソ・フィールの基礎練習教材としても有効とされる。テンポ設定やビートの置き方で表情が大きく変わるため、ドラマーとベーシストの合意形成が鍵となる。ジャム・セッションでは親しみやすい旋律と明確なグルーヴが機能し、ロリンズのメロディ志向やモチーフ展開の妙を学ぶ題材として評価が高い。

まとめ

Everywhere Calypsoは、ロリンズが確立した“ジャズ×カリプソ”美学を体現する一曲である。詳細な初出情報は不明ながら、親しみやすい主題と機知に富む即興が両立した、実演映えする楽曲として位置づけられるだろう。カリブの躍動をジャズの文法で再解釈したロリンズ流の語り口が、時代を越えて魅力を放ち続けている。