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The Diary

  • 作曲: SEDAKA NEIL
#洋楽ポップス
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The Diary - 楽譜サンプル

The Diary|歌詞の意味と歴史

基本情報

「The Diary」は、作曲家ニール・セダカと作詞家ハワード・グリーンフィールドによる1958年発表のポップ・ソング。セダカの初期シングルの一つで、英語詞を持つティーン向け楽曲として知られる。米国で発売され、のちの「Oh! Carol」などへ続くキャリアの端緒となったと評価される。演奏陣の詳細やレーベルのカタログ情報は情報不明だが、当時の主流であったシングル市場を念頭に作られたラジオ・フレンドリーな作品である。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り“日記”をモチーフに、好意を抱く相手の筆致から自分の名前を見つける喜びと戸惑いを描く。ティーンエイジャーの繊細な心理、プライバシーと恋心のはざま、手書きの記録が持つ親密さなどが、やさしいメロディと呼応する。直接的な引用は避けつつも、語り手の一人称視点と反復するコーラスが、淡い高揚感を醸し、当時の若者文化を反映している。素朴な語彙と耳なじみのあるフックによって、普遍的な初恋の感情が等身大に伝わる構成になっている点が魅力だ。

歴史的背景

1950年代後半のニューヨークでは、作曲家と作詞家がチームを組み、ポップ・ヒットを量産する“ブリル・ビルディング”系の潮流が台頭していた。セダカとグリーンフィールドはその代表的コンビで、本作も同路線の親しみやすい旋律、明快な構成、コーラスの呼応といった特徴を備える。ロックンロールの勢いとバラードの甘美さが交差する時期に生まれ、ラジオ向けの洗練とティーン市場への焦点化が色濃い。彼らが後年手がける数々のヒットの原型が、すでに本作に萌芽している点は注目に値する。

有名な演奏・映画での使用

最も知られるのはニール・セダカ自身によるオリジナル録音。軽快なピアノ、コーラス・ワーク、スローからミディアムの揺れるビートが印象的で、日記という身近な題材をポップに昇華した。代表的なカバーや、映画・ドラマでの具体的な使用例については情報不明。音源の初出盤の仕様やテレビ出演の個別記録も情報不明であるが、当時のシングル文脈で聴かれることを前提にしたプロダクションである。

現代における評価と影響

「The Diary」は、セダカの作家性と歌手としての華やかさを併せ持った初期代表曲として位置づけられることが多い。10代の語彙で普遍的感情を描く手法は、その後のティーン・ポップやシンガーソングライター系にも受け継がれた。ブリル・ビルディング系の洗練された作曲術を学ぶ素材としても有用で、旋律の反復、コーラスの配置、短い尺での起承転結など、ポップ・ソングクラフトの基本を体現している。今日でも当時の音作りや作詞作曲の手触りを知る導入口として価値がある。

まとめ

日記という普遍的モチーフで恋のときめきを描いた「The Diary」は、1950年代末のポップ・シーンを象徴する小品であり、ニール・セダカのキャリアを開く鍵となった。確実な情報を確認しつつオリジナル音源を辿れば、端正なメロディと時代性、そして若者文化の息づかいが見えてくる。