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PAUL MAURIAT

L'Amour Est Bleu(恋は水色)

  • 作曲: POPP ANDRE CHARLES JEAN
#洋楽ポップス#ムードミュージック
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L'Amour Est Bleu(恋は水色) - 楽譜サンプル

L'Amour Est Bleu(恋は水色)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「L'Amour Est Bleu(恋は水色)」は、作曲アンドレ・ポップ、作詞ピエール・クールによる1967年発表のフランス語ポップ・ソング。ユーロビジョン・ソング・コンテスト1967でルクセンブルク代表曲として、ヴィッキー・レアンドロスが歌唱して初披露された。原曲は歌ものだが、その美しい旋律はすぐに多言語カバーと編曲を生み、特にポール・モーリア・グランド・オーケストラによるインストゥルメンタル「Love Is Blue」が世界的ヒットとなり、楽曲の存在を決定づけた。日本では「恋は水色」の邦題で広く知られ、1960年代後半のポップスを象徴する代表曲の一つとなっている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は“愛”の多面性を色彩のイメージで表現するのが特徴。青はやさしさや切なさ、時に哀愁を帯びたニュアンスをまとい、淡く清らかな感情を喚起する。さらに、色の移ろいを通じて、出会い、陶酔、揺らぎ、別れといった恋の局面が比喩的に描かれる。水の透明感や流動性に重ねられた比喩は、純度と儚さ、そして時間とともに変化する心の機微を暗示する。直接的な叙述を避け、色と感覚で聴き手の想像を喚起する詩作は、シャンソンの伝統を受け継ぎつつ、国境を超えて理解される普遍性を備えている。

歴史的背景

1960年代のユーロビジョンは、欧州のポップスが国際舞台へ広がる重要な発信源だった。本曲はその文脈で誕生し、フランス語のエレガンスと親しみやすいメロディを併せ持つ作風で注目を集めた。アンドレ・ポップの洗練された作曲術は、当時隆盛のオーケストラ・ポップ/イージーリスニングとも親和性が高く、歌ものからインストゥルメンタルへの展開も自然だった。とりわけ、ラジオの電波に乗りやすい明快な主題と、情感を過不足なく伝える構成が、欧米・日本を含む広範な市場で受容される下地となった。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルの歌唱で知られるのはヴィッキー・レアンドロス。続いて、ポール・モーリアによるインスト版「Love Is Blue」が全米Billboard Hot 100で首位を獲得するなど世界的成功を収め、決定的な名演として定着した。以後、多くの歌手・楽団が各国語版や器楽編で取り上げ、テレビやコンサートの定番レパートリーとなる。映画での具体的使用情報は情報不明。だが、編成の自在さと旋律のキャッチーさから、録音史におけるカバーの層は非常に厚く、時代や地域を越えて再演され続けている。

現代における評価と影響

今日、「恋は水色」はポップスとイージーリスニングを架橋する古典として評価される。ストリングス主体の流麗なアレンジでも、歌としての物語性でも成立する柔軟さは、アレンジャーや歌手の教材としても価値が高い。配信時代においても、懐かしさと新鮮さを併せ持つ旋律はプレイリストやコンピレーションで再発見され、世代を超えて聴かれている。カラー・メタファーの巧みさは、後続のポップ・ソングにおけるイメージ志向の作詞にも影響を与え、国際的ポップ史の文脈で語り継がれている。

まとめ

ユーロビジョン発の歌ものとして誕生し、インストゥルメンタルを含む多彩な形で世界標準曲となった「恋は水色」。色彩と言葉、旋律と編曲が高い次元で調和し、半世紀以上を経ても色褪せない普遍性を示す。映画での使用情報は情報不明だが、録音・演奏史に刻まれた存在感はゆるぎない。