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El Condor Pasa(If I Could)

  • 作曲: ROBLES DANIEL ALOMIA
#洋楽ポップス#トラディショナル
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El Condor Pasa(If I Could) - 楽譜サンプル

El Condor Pasa(If I Could)|歌詞の意味と歴史

基本情報

El Condor Pasa(If I Could)は、ペルーの作曲家ダニエル・アロミア・ロブレス(Daniel Alomía Robles)が1913年に発表した舞台作品「エル・コンドル・パサ」の旋律に基づく楽曲で、英語詞はPaul Simon。1970年、Simon & Garfunkelがアルバム「Bridge Over Troubled Water」に収録し世界的ヒットとなった。アレンジにはアンデス音楽グループLos Incas(編曲者Jorge Milchberg)が深く関与したことでも知られる。

歌詞のテーマと意味

英語詞は「コンドル(自由)への憧憬」を寓話的対比で描く。日常の不自由さより、自然や精神の自由を選ぶという価値観が核で、身近な選択(例えば“〜よりも〜でありたい”という対句)を重ね、柔らかな比喩で自由意志と自己決定の尊さを示す。原曲はインストゥルメンタルだが、Simonの詞が普遍的メッセージを与え、地域色の強い旋律が世界語的な意味と結び付いた。歌詞の全文は非掲載。

歴史的背景

ロブレスの原曲はアンデスの旋律・舞曲語法を取り入れた舞台音楽として1913年に誕生。20世紀中葉、南米音楽を欧米へ紹介したミュージシャンらを介し旋律が広まり、1960年代にPaul SimonがLos Incasの演奏に触発されて採譜・詞作。クレジットを巡る著作権問題が生じたが、作曲者はロブレスであることが確認され、以後は適切な表記が浸透していった。

有名な演奏・映画での使用

決定的名演はSimon & Garfunkel(1970)。Los Incasによる伝統色の濃い録音も定番で、パンフルートやケーナ、チャランゴを活かした多国籍アーティストのカバーが多数存在する。クラシック編成や吹奏楽アレンジでも親しまれ、教育現場の合奏曲としても定着。映画での具体的使用については情報不明。

現代における評価と影響

本作はアンデス音楽の象徴的メロディを世界流通へ押し上げた代表例で、ワールドミュージックとポップの交差点を示した先駆的成功例と評価される。素朴な旋律は編成を選ばず、ソロからオーケストラまで映えるため継続的に演奏される。また、地域の音楽遺産と国際ポップの協働モデルとして、編曲・権利処理の重要性を広く認識させた点でも意義深い。

まとめ

El Condor Pasa(If I Could)は、ロブレスが生んだアンデス旋律にPaul Simonの詞が重なり、普遍的な自由の願いを宿した名曲となった。原曲の土着性とポップの普遍性が融合し、世代・地域を超えて演奏され続ける理由がここにある。歴史的背景と権利表記の経緯を理解すれば、楽曲の厚みと文化的価値が一層鮮明になるだろう。