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Susie Q
- 作曲: BROADWATER ELEANOR,HAWKINS DALE,LEWIS STANLEY J

Susie Q - 楽譜サンプル
Susie Q|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Susie Q」は、1957年に発表されたアメリカン・ロックンロールの代表曲。作曲者はBROADWATER ELEANOR、HAWKINS DALE、LEWIS STANLEY Jで、オリジナル・アーティストはDale Hawkins。若き日のジェームズ・バートンが刻む印象的なギター・リフが楽曲の核を成し、ミシシッピ川流域の湿地帯のムードを思わせる“スワンプ”な質感が特徴とされる。リリース形態や細かな制作クレジットの一部は情報不明だが、ロック創世記における重要シングルとして広く認知されている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、スージー・Qという女性への憧れと称賛をストレートに語る内容。語り手は彼女の歩き方や話し方、独特の魅力に強く惹かれ、近づきたい、恋人になりたいという気持ちを反復的なフレーズで表現する。複雑な物語性よりも、ダンス・フロアでの高揚や若者文化のエネルギーを映す直接的な語り口が魅力で、コール&レスポンス的な節回しとともに、誰もが口ずさめるフックが楽曲の普遍性を支えている。具体的な台詞引用やストーリーの詳細設定はなく、感覚的な讃歌として機能する点がロックンロール初期の特質と合致する。
歴史的背景
1950年代後半は、R&Bとカントリーが交差しロックンロールが急速に大衆音楽の中心を占めていった時期。ルイジアナ周辺の空気感を持つ「Susie Q」は、その地域性から“スワンプ・ロック”的な先駆とも語られてきた。Dale Hawkinsの奔放なボーカルと、ジェームズ・バートンの切れ味鋭いギターが、新時代のエレクトリック・サウンドの象徴として受け止められた。共同作者としてクレジットされるStanley J. LewisやEleanor Broadwaterの関与が示すように、当時の南部音楽シーンでは、レコード店主やプロモーター、DJらが創作と普及の結節点となっていたことも伺える。
有名な演奏・映画での使用
1968年、Creedence Clearwater Revival(CCR)がデビュー期に長尺のジャムを含むカバーを発表し、同曲は同バンド初の全米ヒットとして広く浸透した。ローリング・ストーンズも1964年の初期レパートリーに取り上げ、ブリティッシュ・ビート文脈で再解釈。映画では、フランシス・フォード・コッポラ監督『地獄の黙示録』でCCR版が使用され、戦争映画の象徴的サウンドトラックの一角を担った。これらの再演は、原曲のシンプルな骨格が多様な解釈に耐える強度を持つことを示している。
現代における評価と影響
「Susie Q」は、ロック史を形作った重要曲としてしばしば言及され、ロックの定番リフの一つとしてギタリストの入門曲にも数えられる。Rock and Roll Hall of Fameの“500 Songs that Shaped Rock and Roll”に選出されるなど評価は高く、年代を超えてカバーが続く理由も、反復の効いたリフとブルース進行に根差した普遍性にある。ラジオやプレイリストでも継続的に流通し、原曲・カバー双方がクラシックとして生き続けている点は、ポピュラー音楽における“歌とリフ”の強さを体現している。
まとめ
Dale Hawkinsの「Susie Q」は、直接的な恋の賛歌を、印象的なギター・リフとミニマルな構成で永続的な魅力へ昇華させた一曲である。CCRやローリング・ストーンズによる広範な普及、映画での鮮烈な用いられ方が相まって、その地位は不動となった。情報不明な細部は残るものの、ロックンロール初期の活力と地域性を刻み、現在も演奏・鑑賞の双方で新鮮さを保つ、時代を越えたスタンダードと言える。