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I Say A Little Prayer

  • 作曲: BACHARACH BURT F
#洋楽ポップス
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I Say A Little Prayer - 楽譜サンプル

I Say A Little Prayer|歌詞の意味と歴史

基本情報

作曲はBurt Bacharach、作詞はHal David。1967年にDionne Warwickの歌唱で発表され、全米で大ヒットとなったポップ/ソウルの名曲である。翌1968年にはAretha Franklinが取り上げ、ゴスペル色を強めた解釈で再びトップ10入り。以降、ラジオ、テレビ、ステージで半世紀以上親しまれている。曲名は直訳すると「小さな祈りを捧げる」。日常に寄り添うメロディとエレガントなコード運びが特徴とされる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、朝の身支度や通勤、夜のひとときなど、ありふれた日常の場面ごとに“あなた”の無事と愛を祈る語り手の気持ちを描く。祈りは宗教儀礼に限定されず、相手を思い続ける行為そのものの比喩として機能し、繰り返されるフレーズが確信と献身を強調する。過度なドラマを避け、具体的で親密な情景を積み重ねることで、普遍的な恋愛の継続性と支え合いを表現している。

歴史的背景

Bacharach & David は1960年代アメリカを代表するソングライティング・チームで、洗練されたハーモニーと斬新なフォームで知られる。本曲も滑らかな旋律に対し、リズムの押し引きや対旋律の巧みな配置が際立つ。Warwick版は軽やかなビートと柔らかなコーラスが都会的なムードを醸成。一方、Franklin版はコール&レスポンスと力強いボーカルで感情の振幅を拡大し、同曲の解釈可能性を広げた。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、Dionne Warwick(1967)とAretha Franklin(1968)が双璧。編曲は前者がクールで流麗、後者が教会音楽の高揚を宿すコーラスとホーンを備える。1997年の映画『ベスト・フレンズ・ウェディング』では、劇中の合唱シーンとDiana Kingのカバーが話題となり、新たな世代に楽曲を浸透させた。以降も多くのシンガーがステージで取り上げ、英語圏のみならず世界各地でカバーが重ねられている。

現代における評価と影響

今日、本曲はポップスタンダードとして確固たる地位を持つ。日常語で綴られた愛の誓いと、耳に残るメロディは時代やジャンルを超えて機能し、広告やステージの文脈でも映える。配信時代においても主要バージョンの再生数は堅調で、入門者にはWarwick版の気品、感情の高まりを求めるならFranklin版をまず薦めたい。音楽理論的にも、旋律とハーモニーの呼応は学習素材として価値が高い。

まとめ

シンプルな言葉と洗練された作曲術が結晶した「I Say A Little Prayer」は、半世紀を超えて人々の生活に寄り添う永遠のラブソングである。初聴や再訪を問わず、歌詞の“祈り”が日常にそっと灯をともすだろう。