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Travelin' Band
- 作曲: FOGERTY JOHN CAMERON,FOGERTY JOHN C

Travelin' Band - 楽譜サンプル
Travelin' Band|歌詞の意味と歴史
基本情報
Travelin' Bandは、1970年に米国のロックバンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)が発表したシングル曲。作詞作曲はジョン・フォガティ。シングルは「Who'll Stop the Rain」と両A面として発売され、同年の名盤『Cosmo's Factory』にも収録。レーベルはFantasy Records。痛快なサックスのブレイクと全編を駆け抜ける勢いが特徴で、CCRのライヴでも高頻度で演奏されてきた代表曲の一つである。
歌詞のテーマと意味
歌詞の語り手は“旅回りのバンド”のフロントマン。空港やホテルを転々とし、プロモーターやDJの対応に追われつつ、次の街へ飛び続ける日々が、短く切り込むフレーズと荒々しいシャウトで描かれる。成功や名声の誇示ではなく、観客の歓声に突き動かされる純粋な高揚、移動とステージを往復する苛烈なリズムが核。過酷さをユーモアで押し切る口調が、路上のリアリティとロックンロールの快感を同時に伝える。
歴史的背景
1969〜70年のCCRはヒットを連発し、ルーツ回帰の潮流を牽引していた。本曲は1950年代ロックンロールの語法を積極的に現代化した作例で、ファスト・テンポ、ホーンのブレイク、リトル・リチャード直系の荒々しいボーカルが要。スタジアム的な大作志向が広がる時代にあって、短尺で骨太なロックンロールを提示し、バンドの美学—原初的でダンサブルな“即効性”—を鮮明に示した。シングルは「Who'll Stop the Rain」との両A面で発表された事実でも、当時の勢いを物語る。
有名な演奏・映画での使用
CCRのオリジナル録音が決定版とされ、ジョン・フォガティのソロ公演でも定番曲として演奏されてきた。スタジオ版の疾走感をそのまま押し出すライヴ・アレンジが支持され、バンドのベスト盤やライヴ映像でも存在感が大きい。映画やテレビ番組での具体的な使用についての確証ある事例は情報不明。
現代における評価と影響
本曲は、歪みを抑えた抜けの良いギター、タイトなリズム、約2分台のコンパクトな構成という設計で、後続のルーツ・ロック/パブ・ロック系の手本に。ステージで映えるキー配分とコール&レスポンス可能なメロディはカバー適性が高く、クラブやバー・バンドのレパートリーとしても定着した。現在もストリーミングで広く聴かれ、CCRを初めて知るリスナーの導入口として機能している。
まとめ
Travelin' Bandは、ツアー生活の喧騒を疾走ロックンロールで切り取ったCCRの代表曲。直截な言葉とシャウト、サックスのブレイクが一体となり、瞬発力あるカタルシスを生む。1970年という転換期に古典様式を磨き直した好例であり、今日までライヴ映えする“永遠の即戦力ナンバー”として愛され続けている。