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It's My Party
- 作曲: GLUCK JOHN,GOLD WALLY,GOTTLIEB SEYMOUR SY,WIENER HERBERT

It's My Party - 楽譜サンプル
It's My Party|歌詞の意味と歴史
基本情報
「It's My Party」は、作曲クレジットがGLUCK JOHN、GOLD WALLY、GOTTLIEB SEYMOUR SY、WIENER HERBERTに与えられたポップ・ソング。1963年、レズリー・ゴーアのデビュー・シングルとして発表され、全米Billboard Hot 100で1位を獲得した。プロデュースはクインシー・ジョーンズ。ガール・ポップの文脈で語られることが多く、短く端的なメロディと分かりやすいフックで広く親しまれている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は主人公の誕生日パーティーで、恋人ジョニーが友人ジュディと去ってしまう痛切な失恋を一人称で描く。「自分のパーティーだから泣いてもいい」というリフレインは、傷心の自己肯定と感情の正当性を端的に主張するキーフレーズ。平易な言葉でありながら感情の起伏が明瞭に設計され、ティーンの焦燥や孤独感を普遍的なドラマへと昇華している。コール&レスポンス的なコーラス配置も、物語性と共感の強度を高めている。
歴史的背景
60年代初頭の米ポップ・シーンでは、ブリル・ビルディング系の職人的ソングライティングとガール・ポップが隆盛だった。若干16歳のレズリー・ゴーアを起用した本作は、その潮流の中で洗練されたアレンジとラジオ映えするキャッチーさを兼備し、ティーン市場に強く刺さった。結果としてチャートを制し、以後のティーン・バラッドや失恋ポップの定型化にも寄与した点で歴史的意義が大きい。
有名な演奏・映画での使用
決定版はレズリー・ゴーアのオリジナル録音で、後日談となるアンサー・ソング「Judy's Turn to Cry」もヒットして物語世界を拡張した。カバーとしては、1981年にデイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキン版が英国1位を獲得し、2010年にはエイミー・ワインハウスがトリビュート作で取り上げるなど、世代を超え継承されている。映画やドラマでの具体的な使用作品名は情報不明。
現代における評価と影響
本作は、少女の視点から失恋を語る短編ドラマのような構成と、強いフックを持つリフレインで、今なおプレイリストの定番として支持される。タイトルとリフレインは日常言語やメディアで引用されるほど浸透し、ガール・ポップの古典として教育的文脈でも参照される機会が多い。シンプルな語彙で強い感情を伝える作詞・作曲のモデルケースとして、後続のポップ・ライティングにも影響を与えた。
まとめ
「It's My Party」は、等身大の感情を明快に言語化したポップ・ソングの古典。レズリー・ゴーアの鮮烈な歌唱と職人的ソングライティングが結実し、時代を超えて歌い継がれている。カバーの広がりもその普遍性を裏づける。