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Black Is Black

  • 作曲: GRAINGER MICHELLE,HAYES ANTHONY,WADEY STEVE
#洋楽ポップス
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Black Is Black - 楽譜サンプル

Black Is Black|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Black Is Black」は、スペインのロック・バンド、ロス・ブラボスが1966年に発表した英語曲。作曲はMichelle Grainger、Anthony Hayes、Steve Wadey。リリースと同年にイギリスで2位、アメリカでもトップ10入りを果たし、スペイン発バンドの世界的成功例として知られる。切れ味のあるエレキギターと躍動的なビート、印象的なフックで構成されるポップ・ロックの代表的ナンバーで、ラジオやダンスフロアでも長く愛されてきた。作詞者の詳細な個別クレジットは情報不明。

歌詞のテーマと意味

本作の語り手は恋人を失った喪失の只中にいる。タイトルに象徴される「黒」は、心の暗闇や虚無感の比喩として機能し、世界が色彩を失ったかのような感覚を描く。過去に戻りたいという願望や、空回りする希望が繰り返し強調され、短い語句の反復とキャッチーなフレーズが未練と焦燥を際立たせる。マイナー調を基調とした進行とタイトなリズムは、胸のざわめきを推進力に変換し、失恋ソングでありながら高揚感を伴うダンス・チューンとしての魅力を生んでいる。

歴史的背景

1960年代半ばの欧州では、ブリティッシュ・インヴェイジョン以後、各国のバンドが英語曲で国際市場に挑戦していた。ロス・ブラボスはその潮流の中で頭角を現し、欧州大陸出身グループとして英米主要チャートに食い込んだ希少な成功例となる。彼らのヒットは、言語と国境を越えて楽曲そのものの強度が評価されうることを示し、のちの欧州ポップ/ロックのクロスオーバー展開にも示唆を与えた。

有名な演奏・映画での使用

カバーは多く、特にジョニー・アリデーによるフランス語版「Noir c’est noir」(1966年)が大ヒットとして知られる。また、ラ・ベル・エポックが1977年にディスコ風アレンジで再解釈し、欧州各国でチャート上位を記録したことも重要な出来事である。映画・ドラマでの顕著な使用例は情報不明。

現代における評価と影響

「Black Is Black」はオールディーズや60年代ポップ・ロックの定番として、プレイリストやラジオで継続的に支持されている。失恋の普遍的テーマと、即効性のあるフックを備えた構造は現在のポップ文法にも通じ、カバーやリバイバルを通じて再発見が進む。スペインのロック史においても、国際的成功を収めた金字塔として位置づけられ、同地域アーティストの海外進出の象徴的モデルとなっている。

まとめ

喪失を色彩の喪失として描く鮮烈なコンセプト、反復のフック、ダンサブルなビート。これらが結びつき、「Black Is Black」は時代と地域を超えて機能するポップ・ロックの古典となった。1966年の快進撃から今日のリスニング環境まで、楽曲の強度は揺るがず、ロス・ブラボスの名を世界に刻み続けている。