You Belong To Me
- 作曲: MC DONALD MICHAEL H,SIMON CARLY E

You Belong To Me - 楽譜サンプル
You Belong To Me|歌詞の意味と歴史
基本情報
「You Belong To Me」は、Michael H. McDonaldとCarly E. Simonの共作。初録音はThe Doobie Brothersが1977年のアルバム『Livin’ on the Fault Line』で行い、翌1978年にCarly Simonがアルバム『Boys in the Trees』で自身のバージョンを発表。シングルとして全米で広く支持を集め、ポップ/ソフトロック路線の代表曲として知られる。洗練されたメロディと都会的なムードが特徴で、作家性と大衆性を両立した楽曲だ。
歌詞のテーマと意味
歌詞はパートナーに向けたまなざしを軸に、他者の評価に揺さぶられず、互いの関係に確信を持とうと語りかける内容。タイトルの“Belong”は所有のニュアンスを含むが、曲全体では依存や束縛ではなく、信頼と自尊心を取り戻す姿勢が強調される。浮ついた関心に心を奪われる必要はない、という落ち着いたメッセージが、穏やかなサウンドと相まって説得力を帯びる。直接的な主張と繊細な語りのバランスが、時代を越えて共感を呼ぶポイントだ。
歴史的背景
1970年代後半は、ポップとR&B/ジャズの語法が溶け合うAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)が台頭した時期。マイケル・マクドナルドの豊かな和声感と、カーリー・サイモンの軽やかなメロディメイキングが交差し、バンド発のアレンジとシンガーソングライター的語り口が結びついた。まずドゥービー・ブラザーズというバンド文脈で広がり、その後サイモンのポップ・フィールドでより大衆的な支持を獲得した流れは、この時代の越境性を象徴している。
有名な演奏・映画での使用
代表的な録音は、The Doobie Brothers(1977)とCarly Simon(1978)。前者はアンサンブルのグルーヴ感が際立ち、後者はボーカルを中心に洗練されたアレンジで楽曲の普遍性を引き出した。以後、両者のステージやベスト盤でも定番的に取り上げられている。映画での使用については情報不明。テレビ番組・CM等での大規模な使用例も公的な情報は確認できず、現時点では情報不明とする。
現代における評価と影響
本曲は、シンガーソングライターとAORの交点を示すコラボレーションの好例として言及されることが多い。ストリーミング時代にもソフトロック/シティポップ的な文脈と親和性が高く、落ち着いたテンポとスムースなハーモニーがプレイリストで再評価を後押ししている。ライブ・カバーやセッションでも扱いやすい構成と記憶に残るフックを併せ持ち、世代を超えて継続的に参照される存在となっている。
まとめ
「You Belong To Me」は、確かなメロディと成熟したメッセージ性、そして時代の潮流を捉えたサウンドが結晶した一曲。バンド由来のグルーヴとポップの開放感を兼ね備え、初出から現在まで長く愛されている。名義やバージョンの違いを聴き比べることで、同じ楽曲の多面的な魅力がより鮮明に立ち上がるだろう。映画での使用は情報不明だが、録音史と歌詞の普遍性だけでも十分に語り継がれる価値がある。