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I Really Don't Want To Know(知りたくないの)

  • 作曲: ROBERTSON DON
#洋楽ポップス
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I Really Don't Want To Know(知りたくないの) - 楽譜サンプル

I Really Don't Want To Know(知りたくないの)|歌詞の意味と歴史

基本情報

I Really Don't Want To Know(邦題:知りたくないの)は、1953年に発表された英語のポップ/カントリー・バラード。作曲はDon Robertson(ドン・ロバートソン)、作詞はHoward Barnes(ハワード・バーンズ)。穏やかなテンポと覚えやすい旋律で広く親しまれ、多数の歌手にカバーされてきた。日本では「知りたくないの」の題で知られ、ポピュラー/カントリー双方の文脈で聴かれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋人の過去について「本当は知りたくない」と語る一人称の独白が軸。嫉妬や不安を抱えつつも、いま目の前の関係を守りたいという矛盾した感情が描かれる。相手の歴史を追及するより、現在の愛情表現だけを信じたいという“自己防衛”と“信頼への希求”のあいだで揺れる心理が、シンプルな言葉で反復されることで切実に伝わる。メロディは柔らかく、緊張を和らげるように進行し、言い切らない余白が聴き手の解釈を誘う。

歴史的背景

1950年代前半は、ポップスとカントリーのクロスオーバーが盛んになった時期で、本曲もその潮流の中で広まった。初期から多くの録音が生まれ、ギターとヴォーカルを中心とした親密な編成から、ストリングスを加えたポップ寄りのアレンジまで幅広い解釈が存在する。1970年にはElvis Presleyがアルバム『Elvis Country (I'm 10,000 Years Old)』で取り上げ、世代を越えて再評価が進んだ。日本でも早くから紹介され、邦題でのカバーが普及した。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、Les Paul & Mary Ford、Eddy Arnold、Elvis Presleyによるバージョンがよく知られる。これらはアプローチこそ異なるが、いずれも旋律の美しさと感情の抑制を生かした解釈で評価が高い。映画での明確な使用については情報不明。

現代における評価と影響

本曲は“相手の過去を知らないでいたい”という普遍的なテーマを持つため、時代や国境を越えて共感を呼び、現在もコンサートやレコーディングで取り上げられ続けている。ジャンル横断的に歌える柔軟さがあり、カントリー、ポップス双方のレパートリーに定着。シンプルな構成は歌唱解釈の違いを際立たせ、ヴォーカリストの表現力を試す教材としても価値が高い。

まとめ

I Really Don't Want To Know(知りたくないの)は、1953年発表のポップ/カントリー・バラード。過去をめぐる心の葛藤を静かに描く歌詞と、普遍性のある旋律が長く支持されている。名だたる歌手の録音を通じて解釈が更新され続け、今なおスタンダードとして愛聴される理由がそこにある。