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You've Really Got A Hold On Me

  • 作曲: ROBINSON WILLIAM JR
#ビートルズ#洋楽ポップス
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You've Really Got A Hold On Me - 楽譜サンプル

You've Really Got A Hold On Me|歌詞の意味と歴史

基本情報

作曲はROBINSON WILLIAM JR(スモーキー・ロビンソン)。オリジナルはザ・ミラクルズによる録音で、モータウン傘下のタムラから1962年に発表された。スロー〜ミディアムのソウル・バラードとして広く知られ、のちにアルバム『The Fabulous Miracles』にも収録。切実なボーカルとゴスペル由来のコーラス、ブルージーな和声感が核を成し、初期モータウンを代表する1曲として定着している。

歌詞のテーマと意味

テーマは“理性では距離を取りたいのに、心は相手に強く惹かれてしまう”という葛藤。依存と自立の揺れ、愛憎の反転といった心理が、嘆くようなメロディとコール&レスポンスの掛け合いで描かれる。主旋律はため息混じりのフレーズで感情の行き場を示し、対するコーラスが内面の声を反射。結果として、抗えない引力に囚われた状態が音楽的にも言語的にも二重化され、普遍的な恋の矛盾が印象深く刻まれる。

歴史的背景

1960年代初頭、デトロイトのモータウンはポップ市場とR&Bの橋渡しを加速させ、洗練されたプロダクションで全米に進出した。本曲はその潮流の中核に位置づけられるヒットで、ソウルの情感を保ちながらラジオ向けの明確なフックを併せ持つ点が当時の美学に合致。ライター兼フロントマンとしてのロビンソンの職人的手腕を示し、ボーカル・アンサンブルの魅力を広く伝える契機にもなった。

有名な演奏・映画での使用

最も著名なカバーはビートルズで、1963年のアルバム『With the Beatles』に収録。英国のロックバンドがモータウン楽曲を取り上げた意義は大きく、曲の国際的浸透を後押しした。ほかにも多くの歌手・バンドがライブやスタジオで取り上げ、スタンダード的に歌い継がれている。映画での具体的な使用作品は情報不明だが、テレビや舞台での引用は各所で見られる。

現代における評価と影響

本曲はソウル/R&Bの教科書的存在として、カバー、教材、プレイリストで継続的に参照される。小節内でためるフレージング、コーラスの応答、オルガンやギターが示すブルース感は、ポップとゴスペルの接点を示す実例として重要。ロマンティックでありながらダークな陰影を帯びる構成は、のちのブルー・アイド・ソウルやポップ・バラードにも指標を与え、感情表現のモデルとなっている。

まとめ

『You've Really Got A Hold On Me』は、抗えない恋の葛藤をソウルフルなアンサンブルで普遍化した名曲。モータウン初期の到達点であり、ビートルズらのカバーを通じて世代と国境を越えて生き続けている。シンプルな語彙と濃密な対話的アレンジが、今もリスナーの心を強くつかむ。