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A Time For Us(ロミオとジュリエット)

  • 作曲: ROTA NINO
#洋楽ポップス#ムードミュージック#映画音楽
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A Time For Us(ロミオとジュリエット) - 楽譜サンプル

A Time For Us(ロミオとジュリエット)|作品の特徴と歴史

基本情報

A Time For Usは、映画『ロミオとジュリエット』(1968、監督フランコ・ゼフィレッリ)のラヴ・テーマとして知られるニーノ・ロータ作曲の代表曲。劇伴としては主にインストゥルメンタルで用いられ、のちに英語詞が付けられた歌唱版が広まった。別名「Love Theme from Romeo and Juliet」とも表記され、映画音楽史における最も親しまれるメロディの一つとして定着している。

音楽的特徴と表現

柔らかな弦楽群を中心に、木管が要所で旋律を受け渡すオーケストレーションが特徴。ため息のように上行・下行を繰り返す流麗な主題は、禁じられた恋の切なさと気高さを同時に描き出す。和声は穏やかな進行を基調としつつ、要所に半音階的な色づけを加え、甘美さだけに寄らない陰影を生む。テンポは過度に揺らしすぎず、呼吸を感じさせるレガートが要。ピアノやハープのアルペジオを下支えに、弦のカンタービレを前面に据える演奏が好相性である。

歴史的背景

イタリアの巨匠ニーノ・ロータは、フェリーニ作品などで培った叙情性と記憶に残る旋律作法を、本作でも遺憾なく発揮した。映画公開(1968)後、このテーマは瞬く間に世界で知られるようになり、英語詞が付された「A Time For Us」として多くの歌手が録音。インストゥルメンタル編でも広く演奏され、クラシックとポップの垣根を越えてスタンダード化した。映画の成功と相まって、ロータの国際的評価をさらに高めた楽曲である。

使用された映画・舞台(該当時)

本テーマは映画『ロミオとジュリエット』(1968)の主要動機として、物語の節目や親密な場面で反復され、登場人物の感情変化を示すレイトモティーフとして機能する。映画内ではインストゥルメンタルを基本に据えつつ、同じ旋律が異なる編成で再登場し、物語の推進力を担う。舞台版での当時の使用状況は情報不明。

現代における評価と影響

A Time For Usは、映画音楽・クラシック・ポップスの各領域で今日も定番レパートリー。弦楽合奏、ピアノ独奏、ギター編曲、歌唱版など多様な形で親しまれ、結婚式や記念式典の選曲としても頻出する。教育現場でも、旋律構成とオーケストレーションの好例として取り上げられることが多い。録音は名匠・名門楽団から若手アーティストまで幅広く、時代とともにテンポ感や音色の解釈が更新され続けている。

まとめ

ニーノ・ロータによるA Time For Usは、簡潔で覚えやすい主題に豊かな陰影を与え、映像と物語を強く支える映画音楽の理想形だ。インストゥルメンタルとしての完成度に加え、歌唱版の普及が楽曲の寿命をさらに延ばした。半世紀以上を経た現在も、普遍的な愛の表現として鳴り続けている。