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Manteca

  • 作曲: GILLESPIE DIZZY, FULLER WALTER GILBERT, GONZALES LUCIANO CHANO POZO
#ラテン#スタンダードジャズ
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Manteca - 楽譜サンプル

Manteca|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Mantecaは、ディジー・ガレスピー、チャノ・ポソ、ギル・フラーの共作による1947年の楽曲。ディジー・ガレスピー楽団で初演・初録音され、アフロ・キューバン・ジャズの代表曲として定着した。タイトルの“Manteca”はスペイン語で「ラード」を意味する。主にインストゥルメンタル作品で、正式な歌詞情報は不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

強固なクラーベに基づくパーカッション(コンガ、カウベル等)と、ビッグバンドの緻密なホーン・ライティングが特徴。反復するモントゥーノ風リフと、スウィングに寄る中間部の対比がドラマを生む。コール&レスポンス、シンコペーション、層状のポリリズムの上でソリストが展開し、テンポは中速〜速めが一般的。一部演奏で掛け声が加わることがあるが、歌詞は主要要素ではない。

歴史的背景

1940年代後半のニューヨークで、ビバップとキューバ由来のリズムが接近するなか、ガレスピーがパーカッショニストのチャノ・ポソを迎えて生まれたのが本作。ビッグバンド編曲を担ったギル・フラーの手腕により、アフロ・キューバンの語法がジャズのハーモニーと有機的に融合し、その後のラテン・ジャズの雛形を提示した。

有名な演奏・録音

最も知られるのは1947年のディジー・ガレスピー楽団のオリジナル録音。以降、同楽団の各時期のライブで繰り返し演奏され、ビッグバンドやラテン・ジャズ編成による数多のカバーが生まれた。ジャズ教育の現場でも定番のレパートリーとして扱われ、学生バンド用の編曲も広く流通している。

現代における評価と影響

今日では、アフロ・キューバン・ジャズの金字塔として、リズム理解とアンサンブル運用を学ぶ最適教材と評価される。クラーベ感覚、パーカッション・セクションとの噛み合わせ、ホーンのアンティフォニーなど、演奏者が習得すべき要件が凝縮。国際的なジャズ・フェスやコンテストの舞台でも定番曲となっている。

まとめ

ビバップとアフロ・キューバンの出会いを象徴するMantecaは、鮮烈なリフと精緻な編曲、躍動するリズムが融合した歴史的名曲である。初演以来、多様な編成と解釈に耐える普遍性を示し、現在もジャズ/ラテン双方の現場で生き続けるスタンダードだ。