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You Belong To My Heart

  • 作曲: AGUSTIN LARA
#洋楽ポップス
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You Belong To My Heart - 楽譜サンプル

You Belong To My Heart|歌詞の意味と歴史

基本情報

You Belong To My Heart は、メキシコの作曲家アグスティン・ララが手がけた名曲「Solamente una vez(ソラメンテ・ウナ・ベス)」の英語版タイトル。原曲はスペイン語のボレロで、英語詞はRay Gilbertが担当したとされる。メロディは流麗で、穏やかなボレロのリズムにのるロマンティックな旋律線が特徴。英語版の普及により、ラテン音楽圏のみならず英語圏でも広く知られるようになり、現在も多くの歌手・編成で演奏されるスタンダードとして親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞の核となるテーマは「人生でただ一度だけ出会う真実の愛」。運命に導かれた出会いと、永遠への静かな確信を、夜空や星、囁きといった比喩で情緒的に描く。原題の“Solamente una vez(ただ一度だけ)”が示すように、刹那ではなく唯一無二の恋を誓う内容が一貫している。英語版の“ You belong to my heart ”というフレーズは、相手が自分の心に属するという強い帰属意識と、相互に守り合う誓約のニュアンスを含む。過度なドラマ性よりも、静かな確信と優雅さが印象に残る抒情詩だ。

歴史的背景

アグスティン・ララはメキシコを代表するボレロ作家で、「Granada」などと並び本作も国際的に知られる作品。英語版タイトルが広く浸透した契機は、ディズニー映画『三人の騎士(The Three Caballeros)』での紹介にある。ラテンアメリカ文化への関心が高まった時期に、米国の大衆音楽市場へ橋渡しする役割を果たし、スペイン語圏の名旋律が英語圏でスタンダード化する流れを加速させた。こうして本曲は、国境を越えるポピュラー・ソングの成功例として語られるようになった。

有名な演奏・映画での使用

映画『三人の騎士』では歌手Dora Luzが英語版を披露し、これが世界的な認知拡大の決定打となった。その後、英語・スペイン語の双方で、男女ソロ、トリオ、ビッグバンド、ストリングス編成など、多様な解釈が録音・上演されている。ボレロの情感はバラードやラウンジ、ラテン・ジャズ寄りのアレンジとも相性が良く、各国の歌手がレパートリーに取り入れてきた。具体的な録音年や収録アルバムの網羅情報は情報不明だが、映画起点での広がりは本作の代表的トピックである。

現代における評価と影響

今日でもボレロ/スタンダード系のコンサート、ナイトクラブ、ウェディング、テレビ番組の挿入曲などで頻繁に取り上げられる。原曲のスペイン語版と英語版の双方が存在するため、観客や場面に応じて言語やテンポ、編成を柔軟に選べるのも強みだ。音域が無理なく、旋律美が際立つため、声楽・ポップ双方の歌手に愛唱される。加えて、ララ作品への関心を喚起し、メキシコ発の旋律美が国際ポピュラー音楽の語彙に定着した例として音楽史的にも評価が高い。

まとめ

You Belong To My Heart は、唯一の愛を謳うボレロの名旋律が映画を通じて世界に広がった代表例。シンプルで格調高い歌詞世界と、甘美なメロディが時代や言語を越えて愛され続けている。入門曲としても、レパートリー拡充にも最適な一曲だ。