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Holding Out For A Hero

  • 作曲: STEINMAN JIM
#洋楽ポップス
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Holding Out For A Hero - 楽譜サンプル

Holding Out For A Hero|歌詞の意味と歴史

基本情報

Holding Out For A Hero は、作曲家ジム・スタインマンと作詞家ディーン・ピッチフォードによる1984年の楽曲。ボニー・タイラーが歌い、映画『フットルース』のサウンドトラックに収録された。重厚なドラムとシンセ、パワフルなボーカル、ドラマティックな展開が特徴のポップ・ロックで、スタインマンならではの劇的なサウンド設計が光る。全英シングルチャート2位、米ビルボードでもヒットを記録し、以後カバーやメディア使用が続く定番曲となった。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、危機の時代に“真のヒーロー”を求める強い願いを描く。単なる恋愛の相手ではなく、正義感と勇気、道徳的な強さを備えた人物への希求が核で、女性の視点から自立と希望を力強く響かせる。夜を突き抜けるスピード感や稲妻のイメージなど、誇張された比喩が連続し、切迫感と昂揚を同時に生む。高揚するサビは自己鼓舞のアンセムとして機能し、困難の中でも諦めずに待ち続ける――という粘り強さを象徴する。

歴史的背景

1980年代前半はMTVの台頭で、映画と音楽が密接に連動した時代。『フットルース』はその象徴的作品のひとつで、本曲は映画のクライマックスを加速させる役割を担った。スタインマンはミート・ローフらと築いた劇場型ロックの文法を、シンセとゲートリバーブの時代感に融合。巨大なサウンドスケープとストーリーテリングをポップ・フィールドに持ち込み、映画のドラマ性を音楽的に拡張した。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルは『フットルース』の名場面で使用され、後年も多くの映像作品で引用された。特に『シュレック2』では妖精の教母役ジェニファー・ソーンダースが劇中歌としてカバーし、クライマックスを彩って再評価を呼んだ。サントラではFrou Frouのカバーも知られる。2011年の映画『フットルース』リメイクではエラ・メイ・ボウエンの新解釈版が起用され、楽曲の生命力を証明。テレビ、CM、スポーツの入場曲など使用事例は枚挙にいとまがない。

現代における評価と影響

本曲は“エンパワーメント・アンセム”として今も支持され、カラオケや配信プレイリストの定番となっている。ステージ・ミュージカル版『Footloose』にも取り入れられ、観客のコール&レスポンスを引き出す装置として機能。80年代的な大仰さと普遍的な希望のメッセージが両立し、世代や文脈を超えて響く稀有なポップ・ロックとして評価が定着している。SNS上のリバイバルやダンス動画でも存在感を保ち続ける。

まとめ

Holding Out For A Hero は、映画音楽とポップ・ロックの理想的融合が生んだ永遠のアンセムだ。ヒーロー像への切実な希求を、劇的なアレンジと力強い歌唱で普遍的な物語へと高めた。本曲は映像文脈で輝きを増しつつ、単体でも自己鼓舞の歌として機能する二重の強さを持つ。時代を超えて更新される数多のカバーと再使用が、その価値を今なお証明している。