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Ain't That a Kick in the Head

  • 作曲: VAN HEUSEN JIMMY
#スタンダードジャズ
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Ain't That a Kick in the Head - 楽譜サンプル

Ain't That a Kick in the Head|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Ain't That a Kick in the Head」は、作曲ジミー・ヴァン・ヒューゼン、作詞サミー・カーンによる1960年発表の楽曲。映画『Ocean's 11』でディーン・マーティンが披露し広く知られるようになった。洒脱なユーモアと軽快なスウィング感が魅力で、現在はジャズ・スタンダードとして定番化。英語詞のヴォーカル曲であり、ビッグバンド編成や小編成コンボでも頻繁に取り上げられる。

音楽的特徴と演奏スタイル

中速からやや速めの4ビート・スウィングが基本。ショウアップされたブラスのヒットと、ヴォーカルの切れ味あるフレージングが映える。明快な32小節系の構成により、イントロ後に主題がすっと立ち上がり、短いブリッジで展開、ラストにかけてブレイクやキメで華やかな余韻をつくる。歌のニュアンスを活かすため、テンポは走らせず、後ろノリで余裕を出すのが定番。スキャットやタグを加えたショウ的演出も親和性が高い。

歴史的背景

1960年というラスベガス・エンタメの最盛期に誕生し、洒落た比喩で恋の高揚を語るスタイルは当時のショウ文化と相性が良かった。ヴァン・ヒューゼンとカーンは映画・舞台で活躍した名コンビとして知られ、本作もその職人的な作法が光る一曲。スクリーンを起点にポピュラーとジャズの橋渡しを果たし、ナイトクラブやバラエティ番組のレパートリーへと浸透していった。

有名な演奏・録音

代表的なのは、映画『Ocean's 11』でのディーン・マーティンのパフォーマンス。彼の録音は楽曲のイメージを決定づけ、スウィング感とウィットを兼ね備えた解釈の指標となった。その後も多くの歌手やビッグバンドが取り上げ、ポップ寄りのアプローチから本格ジャズ寄りまで幅広い解釈が存在。たとえばロビー・ウィリアムズなど、世代やジャンルを超えたカバーがみられる。

現代における評価と影響

ジャズ・ヴォーカル入門曲としての扱いやすさと、ステージで映えるショウ性の高さから、現在もライブやイベントで定番。軽快で前向きなムードが演出しやすく、映像・舞台の明るい場面にも適合する。配信時代においても往年の名唱が聴かれ続け、スウィングの楽しさを象徴する一曲として位置づけられている。

まとめ

「Ain't That a Kick in the Head」は、映画発のヒットからジャズ・スタンダードへと定着した稀有な楽曲。明解な構成、洒脱なユーモア、華やかなスウィングが融合し、時代を超えて愛される理由を築いた。初学者からベテランまで、解釈の幅が広いことも長寿の秘訣といえる。