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Alexander's Ragtime Band
- 作曲: BERLIN IRVING

Alexander's Ragtime Band - 楽譜サンプル
Alexander's Ragtime Band|楽曲の特徴と歴史
基本情報
1911年に発表されたIrving Berlinの代表曲で、楽譜出版を通じて全米に広まった。タイトルどおりラグタイム期の活気を映すポピュラー・ソングであり、のちにジャズ・バンドの定番曲として定着。作曲・作詞はともにIrving Berlin。原曲は歌唱を伴うが、器楽版でも頻繁に演奏される。
音楽的特徴と演奏スタイル
二拍子系の推進力とシンコペーションが骨子。明快なヴァースに続く覚えやすいコーラスが聴衆を“バンドへ招く”趣向を形作る。テンポはミディアムからアップで、トラッド・ジャズでは2ビート、スウィングでは4ビートに置き換えられることも多い。ブラスのユニゾン、クラリネットの装飾、コール&レスポンスが映える。
歴史的背景
ラグタイム熱がアメリカを席巻した1910年代初頭、ティン・パン・アレーを拠点に活動していたBerlinが放った大ヒット。発売直後から多数のダンスホールで演奏され、楽譜売上も記録的な水準に達したとされる。本作の成功はBerlinの作家としての地位を確立し、後年のブロードウェイ/映画界での躍進につながった。
有名な演奏・録音
初期から多くの歌手とダンス・バンドが録音し、スタンダード化。1938年公開の映画「Alexander's Ragtime Band」でも楽曲が大きく扱われ、劇中での歌唱とオーケストラが再評価を後押しした。ジャズではニューオーリンズ系やディキシーランドのレパートリーとして親しまれ、Ella Fitzgeraldの『Sings the Irving Berlin Song Book』(1958)にも収録されている。
現代における評価と影響
今日でも伝統的ジャズのセッション、パレード、ブラス・アンサンブルの定番。ラグタイム由来の軽快さと観客参加型のムードが、年代や編成を問わず機能するため、教育現場やスクール・バンドでも取り上げられる。アメリカン・ソングブックの重要曲として理論書・資料でも頻繁に言及される。
まとめ
Alexander's Ragtime Bandは、ラグタイムの躍動をポピュラー音楽とジャズの橋渡しへ昇華した記念碑的楽曲。歌付きでも器楽でも映える設計が普遍性を支え、誕生から一世紀を経てもなおステージで生き続けている。