あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Always True to You in My Fashion

  • 作曲: PORTER COLE
#スイング#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Always True to You in My Fashion - 楽譜サンプル

Always True to You in My Fashion|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Always True to You in My Fashion」は、作詞作曲ともにコール・ポーターによる作品。1948年初演のブロードウェイ・ミュージカル『キス・ミー、ケイト』で初披露され、舞台上ではロイス・レーンがビル・カルフーンに向けて歌う曲として位置づけられる。初演キャストではリサ・カークがロイス役で担当し、英語の言葉遊びと機知に富んだ作風が観客の笑いを誘った。初演年や初出は明確だが、原曲の調性や小節構成など詳細なスペックは情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽快なスウィング感と、畳みかける語り口の“パターソング”的運びが特徴。内部韻や地名・人名を絡めた洒脱な言葉遊びが多く、明瞭なディクションとリズムの推進力が不可欠だ。ヴォーカルは語りと歌の境界を巧みに行き来し、テンポに食い込むアクセントやブレイク明けのキメで魅せる。ジャズ演奏では、イントロ短縮やテンポの微調整、間奏のアドリブ挿入など編曲の自由度が高い。原曲の形式・キーは公的資料に依らない限り情報不明とする。

歴史的背景

『キス・ミー、ケイト』はシェイクスピア『じゃじゃ馬ならし』をモチーフに、上演劇団の舞台裏を描くメタ演劇的ミュージカル。戦後ブロードウェイ黄金期の代表作の一つとして知られ、ポーターの洗練されたユーモアが随所に光る。本曲は、恋人への忠誠を“自分なりのやり方で”貫くという二重の意味を含ませ、ロイスの現実的かつ愛嬌ある人間像を鮮やかに示す。作品全体のコメディ的緊張と緩和を担う重要ナンバーである。

有名な演奏・録音

舞台の初演ではリサ・カークが印象的な歌唱を残した。1953年のMGM映画版『キス・ミー、ケイト』では、アン・ミラーがダンスとともに華やかに披露し、映像作品としての人気を確立。ジャズ界ではエラ・フィッツジェラルドが『Ella Fitzgerald Sings the Cole Porter Song Book』(1956)で録音し、スタンダードとしての地位を強化した。その他の代表的録音の網羅的リストは情報不明。

現代における評価と影響

本曲はグレイト・アメリカン・ソングブックの一篇として、ミュージカル再演やジャズ・クラブのレパートリーで現在も取り上げられる。巧妙なライムと皮肉の効いた物言いは、翻訳上演でも工夫のしどころとなり、ヴォーカリストにとっては発音・リズム・間(ま)を鍛える教材的価値が高い。さらに、物語のキャラクター像を音楽と詞で立ち上げる楽曲設計は、後続のミュージカル・ソングにも影響を与え続けている。

まとめ

「Always True to You in My Fashion」は、ウィットに富んだ詞とスウィングの推進力が融合したコール・ポーターの佳品。『キス・ミー、ケイト』の劇中人物像を鮮やかに描き出しつつ、ジャズ・スタンダードとしても生命力を保ち続けている。録音・上演の蓄積が豊富で、歌い手・聴き手の双方に新鮮な発見を与える一曲だ。細部の楽理的仕様に関する未確認情報は情報不明として扱いつつ、歴史的文脈の中で味わう価値が高い。