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Another Op'nin',Another Show

  • 作曲: PORTER COLE
#スタンダードジャズ
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Another Op'nin',Another Show - 楽譜サンプル

Another Op'nin',Another Show|歌詞の意味と歴史

基本情報

『Another Op'nin',Another Show』は、コール・ポーター作曲・作詞のブロードウェイ・ミュージカル『キス・ミー、ケイト』(1948年初演)のオープニング曲。キャストとアンサンブルが開幕直前の劇場の活気を高らかに描き、以後の物語と舞台裏の世界観を一気に提示する役割を担う。ショー・チューンとしての華やかさと軽快なリズム、明晰なライムが特徴で、多くの上演で冒頭の定番として親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、開幕日ならではの高揚と不安、プロダクションを支える多様な人々のエネルギーを、生き生きとした言葉遊びで描く。舞台に立つ俳優だけでなく、スタッフや劇場全体が一体となって「今夜」を迎える儀式性を強調し、観客を舞台裏へ誘うメタ劇的な導入になっている。名声や興行の成否、ツアー先の町など具体的な情景が積み重なり、ショービジネスの普遍的なスリルを象徴する。

歴史的背景

『キス・ミー、ケイト』は戦後ブロードウェイの黄金期に生まれ、コール・ポーターのキャリアを再加速させた代表作の一つ。『じゃじゃ馬ならし』を劇中劇として取り込む構造により、舞台裏と舞台上が響き合う二重構成が話題を呼んだ。作品は翌年のトニー賞で高く評価され、ポーターの機知に富む詞曲が改めて脚光を浴びる。オープニング曲である本作は、その成功のムードを冒頭から確立し、上演のダイナミズムを観客へ伝える核となった。

有名な演奏・映画での使用

オリジナル・ブロードウェイ・キャスト録音をはじめ、歴代の再演版キャスト・アルバムに収録され、合唱の厚みと推進力が記録作品でも映える。コンサート版やガラ公演でもオープナーとして重用され、編成に応じたアレンジも多数存在。映画やテレビでの使用状況は情報不明だが、舞台作品の文脈では開幕の象徴的ナンバーとして欠かせない位置を保ち続けている。

現代における評価と影響

現在もリバイバル上演で安定した人気を持ち、演劇学校やミュージカルのワークショップでは合唱・アンサンブルの教材として頻繁に扱われる。開幕前の昂揚をスナップショットのように切り取る構成は、後続のメタ劇的ミュージカルにも影響を与えた。ショー・チューンの王道として、観客を一音目から物語世界へ連れ込む“劇場の扉”の機能を体現する一曲と評価されている。

まとめ

『Another Op'nin',Another Show』は、舞台裏の鼓動と観客の期待をつなぐ、ショー・チューンならではの開幕宣言。コール・ポーターの洗練された言葉と旋律が合唱の勢いに乗り、作品全体の空気を決定づける。ミュージカル史においても、オープニング・ナンバーの理想形として語り継がれる重要曲である。