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Green Eyes (Aquellos Ojos Verdes)
- 作曲: MENENDEZ NILO

Green Eyes (Aquellos Ojos Verdes) - 楽譜サンプル
Green Eyes (Aquellos Ojos Verdes)|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Green Eyes (Aquellos Ojos Verdes)は、キューバの作曲家Nilo Menéndez(表記:MENENDEZ NILO)によるボレロ。原詞はAdolfo Utrera、1929年に発表とされる。後年に英語詞が付けられ「Green Eyes」として米国でも親しまれた。原題が示すとおり“緑の瞳”への憧憬を歌う恋愛曲で、ラテンの叙情を湛えたメロディが特徴。初演や初録音の詳細は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
しっとりとしたボレロの4/4拍子を基調に、弱拍で揺れるラテンのハバネラ系シンコペーションが漂う。旋律は広い音域を滑らかに行き来し、甘美な経過音で和声を彩るため、歌唱ではレガートと息のコントロールが要。ジャズ・ビッグバンドでは、バラード〜ミディアムのテンポでサックス・セクションやミュート・トランペットがコール&レスポンスを担い、ダンス・フロア向けにスウィング感を穏やかに付与する編曲が定番となった。
歴史的背景
本曲はキューバ発祥のボレロが国際的に広まった潮流の中で生まれ、スペイン語圏で愛唱されると同時に、英語版の普及を通じて北米のポピュラー音楽と交差した。1930年代後半から1940年代にかけては、ラテン要素を取り入れたビッグバンドが台頭し、本曲もそのレパートリーに組み込まれていく。出版・版権の詳細や初期流通の具体的経緯は情報不明。
有名な演奏・録音
特筆すべきはJimmy Dorsey and His Orchestraによる1941年の録音で、ボブ・エバリーとヘレン・オコネルの掛け合いボーカルが話題となり、全米チャートで大ヒットを記録した。以降、ボレロ/ラテン・ポップ、ラウンジ、ジャズ・ヴォーカルの定番曲として数多くの歌手・楽団が録音。映画やテレビでの使用例は複数あるが、網羅的リストは情報不明。
現代における評価と影響
Green Eyesはボレロのロマンティシズムとアメリカン・ポップ/ジャズの洗練を架橋するスタンダードとして位置づけられる。ラテン・ジャズのセットやダンス・バラード、ホテルのラウンジからコンサート・ホールまで幅広い場面で演奏され、編曲の自由度も高い。歌手にとっては情感表現の教材として、演奏家にとってはラテン・フィールの基礎確認曲として重宝されている。
まとめ
恋歌としての普遍性と、国境を越えた編曲適応力を併せ持つ本曲は、時代や言語を超えて聴き継がれてきた。作曲者MENENDEZ NILOによる端正な旋律美は、いまも新録やステージで息づき、ラテン音楽とジャズの交点を象徴するレパートリーとして定位置を保っている。