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Arrivederci Roma

  • 作曲: TRADITIONAL
#スタンダードジャズ#トラディショナル
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Arrivederci Roma - 楽譜サンプル

Arrivederci Roma|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Arrivederci Roma」は、戦後イタリアを代表するカンツォーネとして広く知られる名曲。一般的資料ではレナート・ラスケル作曲、ピエトロ・ガリネイ/サンドロ・ジョヴァンニーニ作詞、英語詞はカール・シグマンとされる。発表は1955年。英題は“Goodbye to Rome”。なお本記事の入力上、作曲者はTRADITIONALと記載されている。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“Arrivederci”は「さようなら、また会いましょう」の丁寧な別れの挨拶。歌詞は、ローマの街角や夕暮れ、テヴェレ川の情景を背景に、旅人や恋人が別れと再会の約束を交わす心情を描く。感傷と希望が同居し、都市への愛情と個人的な記憶が重ね合わさることで、聴く者の郷愁を呼び起こす構成になっている。

歴史的背景

1950年代のイタリアは観光と映画産業が活況を呈し、ローマは国際都市としての魅力を世界に発信した時代。カンツォーネはラジオやレコードを通じて世界に広まり、本曲もその波に乗って多言語でカバーが制作された。メロディの親しみやすさと異国情緒が、戦後の大衆文化にうまく適合したことが成功の要因といえる。

有名な演奏・映画での使用

最も知られるのは、マリオ・ランツァが主演した1957年の映画『七つの丘のローマ』(原題:Seven Hills of Rome)での歌唱。これにより楽曲の国際的人気が決定づけられた。ディーン・マーティン、ナット・キング・コール、コニー・フランシス、クラウディオ・ヴィッラなど、多くの歌手が録音を残し、オーケストラ/合唱編成のアレンジも定番化している。

現代における評価と影響

今日では、イタリア音楽の入門曲・定番レパートリーとして教育現場やコンサートで取り上げられる機会が多い。ジャズ、イージーリスニング、クラシカル・クロスオーバーまで幅広い解釈に耐える旋律と形式を持ち、都市讃歌の代表例として観光プロモーションやイベントの場でも親しまれている。

まとめ

普遍的な別れと再会の物語を、流麗なメロディで描いた「Arrivederci Roma」は、時代や言語を超えて受け継がれてきた。映画での成功と多数のカバーがその地位を確立し、ローマという都市の象徴的イメージと結びついた稀有な楽曲である。作曲者表記には揺れが見られるが、作品価値は普遍的であり、今後も歌い継がれていくだろう。