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Baby You've Got What It Takes
- 作曲: OTIS CLYDE LOVERN,STEIN MURRAY

Baby You've Got What It Takes - 楽譜サンプル
Baby You've Got What It Takes|歌詞の意味と歴史
基本情報
Baby You've Got What It Takes は、OTIS CLYDE LOVERN(Clyde Otis)と STEIN MURRAY(Murray Stein)による作品。作詞者は情報不明。1960年にディナ・ワシントンとブルック・ベントンのデュエットで広く知られるようになり、R&Bとポップのクロスオーバー・ヒットとして定着した。ミディアム・テンポのR&Bグルーヴに乗せた掛け合いが特徴で、男女の台詞的なやり取りが曲の魅力を強調する。以降、ボーカル・デュオの定番レパートリーとして多数の歌手に歌い継がれている。
歌詞のテーマと意味
タイトルの“you’ve got what it takes”は、相手が関係を続けるための大切な資質を備えているという肯定のメッセージを指す。歌詞は、恋愛に必要な信頼、思いやり、責任感をユーモアと余裕のある口調で語り、二人の関係性が互いの歩み寄りによって成り立つことを示す。デュエット形式ならではのコール&レスポンスが、対話の臨場感と大人の情感を演出し、聴き手に前向きな後味を残す。
歴史的背景
1950年代末から60年代初頭にかけて、R&Bはポップ市場へと浸透を強め、黒人音楽の表現がメインストリームで受け入れられ始めた時期だった。本作はその潮流の中で誕生し、洗練されたソングライティングと都会的なアレンジにより、ジャズ寄りのボーカル層からも支持を獲得。Clyde Otisらの職人的制作手腕が、当時の放送・チャート環境に適応した普遍性を生み、ラジオ・フレンドリーなデュエット像を確立したといえる。
有名な演奏・映画での使用
代表的な録音は、ディナ・ワシントン&ブルック・ベントンによるデュエット・バージョン。以降、数多くのアーティストが取り上げ、ステージでの男女デュエットの定番曲として親しまれている。近年の例では、Michael BubléがSharon Jones & The Dap-Kingsと共演したカバーが知られ、原曲の洒脱な会話感を現代的なサウンドで再提示した。映画・ドラマでの具体的な使用情報は情報不明。
現代における評価と影響
本作は、R&Bの芯を保ちながらポップに届くメロディと、自然な会話劇として成立する歌詞構造が高く評価されている。ライブ現場ではテンポやキーを調整しやすく、編成を問わず映えるため、ジャズ系からポップス系まで幅広いシンガーに選ばれる。また、デュエットの間合い・ダイナミクスの手本としても参照され、スタンダード的な位置づけで歌い継がれている。
まとめ
Baby You've Got What It Takes は、洗練されたR&Bポップ・デュエットの魅力を体現する一曲。肯定的なメッセージ、掛け合いの妙、普遍的なメロディにより、発表から年月を経ても色褪せない存在感を放つ。オリジナルの名唱と多彩なカバーの双方を聴き比べることで、作品の普遍性と各時代の解釈の差異を楽しめるだろう。