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Ca, c'est l'amour

  • 作曲: PORTER COLE
#スタンダードジャズ
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Ca, c'est l'amour - 楽譜サンプル

Ca, c'est l'amour|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Ca, c'est l'amour」は、作曲家コール・ポーターが1957年公開のMGMミュージカル映画『Les Girls(レ・ガールズ)』のために書いたポップ・ソング。軽やかな旋律と洗練された語感で、映画の華やぎを担うナンバーとして親しまれてきた。作詞もポーター自身によるもので、短いフレーズに機知とロマンを凝縮した佳曲である。

歌詞のテーマと意味

タイトルはフランス語で「それこそ愛」の意。恋の陶酔や胸の高鳴りを肯定的に捉え、日常の些細な出来事すら愛の徴と見なす視点が魅力だ。比喩や反復の効果で印象に残るフックを生み、浮き立つ気分を上品に描写する。語数は多くないが、選び抜かれた言葉の響きとリズム感がメロディに密接に結びつき、耳馴染みのよい一体感を作っている(歌詞全文は割愛)。

歴史的背景

第二次世界大戦後、映画各社は音楽面の魅力を競い、コール・ポーターは円熟期の筆致で都会的なラブソングを提供し続けた。本曲はその文脈に属し、黄金期MGMミュージカルの伝統を受け継ぎながら、1950年代後半の洗練と軽快さを反映する。舞台作品で名を馳せたポーターが、映画のためにも等しく質の高い楽曲を供給した事例として位置づけられる。初出年は1957年。

有名な演奏・映画での使用

映画『Les Girls』の劇中で使用され、欧風の華やかさを醸す場面を彩るナンバーとして機能した。レコードではトニー・ベネットによる録音が広く知られ、ポピュラー・フィールドでの認知拡大に寄与したとされる。そのほかのカバーの網羅的リストやチャート成績の詳細は情報不明だが、小編成の伴奏でもよく映えるため、ステージやスタジオで取り上げやすい曲として扱われる。

現代における評価と影響

今日では、コール・ポーター作品の一曲として、リサイタルやキャバレー的なプログラムに彩りを添える存在。代表曲ほど頻繁ではないものの、耳に残るメロディと気品ある言葉遣いは、過去の映画音楽と現代のポップ感覚を橋渡しする。アレンジの自由度も高く、テンポやハーモニーの工夫で多彩な表情を引き出せる点が、演奏家・歌い手から評価されている。

まとめ

「Ca, c'est l'amour」は、映画発のラブソングとして、機知と優雅さを兼ね備えたコール・ポーター流の魅力を端的に示す一曲。誕生の背景は明確で、歌詞のメッセージも普遍的だ。往年のミュージカルの香りを楽しみたいリスナーに適し、ステージでの小粋な一曲を探す歌手にとっても心強いレパートリーとなる。