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The Closer I Get to You

  • 作曲: LUCAS REGINALD GRANT,MTUME JAMES
#スタンダードジャズ
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The Closer I Get to You - 楽譜サンプル

「The Closer I Get to You|歌詞の意味と歴史」

基本情報

「The Closer I Get to You」は、1977年にRoberta Flackのアルバム『Blue Lights in the Basement』で初出。翌1978年にシングル化され、Donny Hathawayとのデュエットとして大ヒットした。作曲はLUCAS REGINALD GRANT(Reggie Lucas)とMTUME JAMES(James Mtume)。レーベルはAtlantic。Billboard Hot 100で2位、R&Bチャートで1位を獲得し、Flackの代表曲として広く知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、互いに引き寄せられ、距離が縮まるにつれて信頼と安らぎが深まっていく過程を描く。対話型のデュエット構造により、一方が慎重さを示せば、もう一方が優しく受けとめるという相互性が強調される。劇的な告白よりも穏やかな確信、成熟した親密さを重視する語り口が、静かな高揚感と包容力を生み、聴き手に安心感を与える。

歴史的背景

本作は70年代後半R&Bに広がった“クワイエット・ストーム”の美学を体現する。LucasとMtumeはジャズ/フュージョンの素養を持ち、洗練されたコード運びと滑らかなグルーヴを持ち込んだ。FlackとHathawayは「Where Is the Love」に続く黄金コンビで、再共演の結晶として本曲が位置づけられる。穏やかなアレンジと成熟した歌唱が、同時代のソウル・バラードの到達点を示した。

有名な演奏・映画での使用

最も知られるのはFlack & Hathawayのオリジナルだが、2003年にはLuther Vandross & Beyoncéがカバーし、翌年のグラミー賞Best R&B Performance by a Duo or Group with Vocalsを受賞して再評価を広げた。多くのR&B歌手がライヴの定番として取り上げる一方、映画での顕著な使用は情報不明。

現代における評価と影響

メロウなエレクトリック・ピアノ、柔らかなストリングス、丁寧なコール&レスポンスは、デュエット・バラードのお手本として定着。アーバンACや深夜帯ラジオで長年支持され、配信時代でも“スロー・ジャム”の古典として新規リスナーを獲得し続ける。結婚式や記念日の選曲としての人気も高く、穏やかな親密さを描く作品の普遍性が評価されている。

まとめ

静かな高揚と成熟した愛のやり取りを極上のアンサンブルで結晶化した名曲。LucasとMtumeの洗練された作曲、FlackとHathawayの名唱が重なり、時代を超えて共感を呼び続けるR&Bバラードの金字塔である。