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Crazy World
- 作曲: BRICUSSE LESLIE,MANCINI HENRY NICOLA

Crazy World - 楽譜サンプル
Crazy World|作品の特徴と歴史
基本情報
Crazy Worldは、作曲ヘンリー・マンシーニ、作詞レスリー・ブリカスによる映画『Victor/Victoria(ビクター/ビクトリア)』(1982)のための楽曲。ブレイク・エドワーズ監督作の公式サウンドトラックに収められ、劇中でしっとりと歌われるバラードとして位置づけられる。タイトルは英語表記で“Crazy World”。
音楽的特徴と表現
穏やかなテンポと伸びやかな旋律線が核。和声はマンシーニらしい滑らかな進行で、メロディの高まりに合わせてダイナミクスが有機的に膨らむ。オーケストレーションはストリングスと木管を中心に柔らかな陰影を作り、歌詞の内省的なトーンを支える。過度な装飾を避け、言葉と旋律の余白を活かす設計が印象的だ。
歴史的背景
本曲が書かれた『Victor/Victoria』は、1930年代パリを舞台に、ショービジネスとアイデンティティを巡る物語を描くミュージカル映画。マンシーニとブリカスという映画音楽の名コンビが組み、華やかなレビュー曲と抒情的ナンバーが同居する。Crazy Worldはその抒情面を象徴する位置づけにある。
使用された映画・舞台(該当時)
初出は1982年公開の映画版で、オリジナル・サウンドトラックに収録。のちに舞台版『Victor/Victoria』(1995年ブロードウェイ初演)でも用いられ、キャスト録音にも収められている。ほかの映画・ドラマ・広告等での使用や特筆すべき編曲・引用の事例については情報不明。
現代における評価と影響
映画自体の評価とともに、アルバムで改めて聴かれるバラードの一曲として親しまれている。マンシーニの旋律美とブリカスの語り口が示す“映画歌”の魅力を体現する楽曲として位置づけられることが多いが、チャート成績や顕著なカバー実績などの詳細は情報不明。
まとめ
Crazy Worldは、派手さよりも感情の機微を丁寧に掬い取る設計で、作品世界に深みを与える。映画/舞台双方の文脈で聴かれる端正なバラードとして、マンシーニ=ブリカスのコラボレーションの価値を静かに物語る一曲だ。