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Doy - O (The Banana Boat Song )
- 作曲: ARKIN ALAN,CAREY BOB,DARLING ERIK

Doy - O (The Banana Boat Song ) - 楽譜サンプル
Doy - O (The Banana Boat Song )|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Doy - O (The Banana Boat Song )」は、一般に「Day-O」として広く知られるカリプソ由来のポップ・ソング。作曲者として提示されている ARKIN ALAN, CAREY BOB, DARLING ERIK は、米フォーク・グループ、ザ・タリアーズのメンバーとして知られ、同グループの録音でクレジットされる場合がある。作詞者および初出年は情報不明。ジャマイカに起源を持つ労働歌(ワークソング)の旋律とコール&レスポンスを基調に、ポピュラー音楽として世界的に親しまれている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、夜通しバナナを積み下ろす港湾労働者の視点で、夜明けの到来と、計量・精算(勘定人が本数を数える過程)を待ち望む心情を描く。合図の掛け声と応答が交互に現れる構造は、現場での団結感や作業のリズムを感じさせるもの。単純で覚えやすいフレーズが反復される一方、賃金や労働時間をめぐる切実さがにじむ。祝祭感と社会的リアリティが共存する点が、多世代に愛される理由となっている。
歴史的背景
本曲はジャマイカの民俗的伝承に根ざしたカリプソ/メントの流れから生まれ、1950年代のカリプソ・ブームとともに世界へ広がった。アメリカでは、ハリー・ベラフォンテの歌唱が大衆的成功を収め、同時期にザ・タリアーズによるアレンジ版もヒットを記録。後者ではグループのメンバー名がクレジットされる形が見られ、本稿の作曲者表記とも整合する。こうして民謡的素材がポップの文脈で再解釈され、国際的なスタンダードへと成長した。
有名な演奏・映画での使用
代表的な歌唱としてハリー・ベラフォンテが挙げられ、ザ・タリアーズ版はフォーク的ハーモニーを前面に出した解釈で知られる。映画では、ティム・バートン監督『ビートルジュース』(1988)の食事シーンで効果的に用いられ、世代を超えて楽曲知名度を押し上げた。以降も多くのアーティストがライブやカバーで取り上げ、テレビ番組やイベントでも頻繁に耳にする存在となっている。
現代における評価と影響
今日では、カリプソの象徴的レパートリーとして世界各地で親しまれ、合唱や音楽教育の現場でも取り上げられる機会が多い。リズムの呼応とシンプルなメロディは、参加型のパフォーマンスに適し、文化的背景の学習素材としても有用。ポップス、フォーク、ワールドミュージックの交差点に位置づけられ、労働歌をポピュラー文化に架橋した例として評価されている。
まとめ
「Doy - O (The Banana Boat Song )」は、ジャマイカの労働歌に根差すカリプソ由来のポップ・ソングであり、コール&レスポンスの楽しさと現実への眼差しを兼備する。与えられた作曲者表記はタリアーズ版の系譜と関連づけられるが、作詞者・初出年は情報不明。映画や多様なカバーを通じ、世代・国境を超えて定着した本曲は、民俗音楽とポピュラーの往還を示す重要作といえる。