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Doin' What Comes Natur'lly

  • 作曲: BERLIN IRVING
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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Doin' What Comes Natur'lly - 楽譜サンプル

Doin' What Comes Natur'lly|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Doin' What Comes Natur'lly」は、アーヴィング・バーリンが1946年のブロードウェイ・ミュージカル『アニーよ銃をとれ(Annie Get Your Gun)』のために書いた曲。物語序盤で主人公アニー・オークリーが家族と歌うコミカルな場面に置かれ、初演ではエセル・マーマンが歌った。親しみやすいメロディと明快なリズムを備えるショー・チューンである。

歌詞のテーマと意味

歌詞は“教育はなくとも、生活の知恵と腕前でやっていける”という価値観をユーモアたっぷりに描く。狩りや家事、子育てなど、田舎の暮らしに根ざした具体的なイメージを積み重ね、アニーの素朴さと逞しさを際立たせる。軽いアイロニーを利かせつつも人を見下さない温かさが核で、バーリンの言葉遊びと韻律感が耳に残る。

歴史的背景

作品は実在の名射手アニー・オークリーとバッファロー・ビルのショーを題材に、開拓時代を舞台化。当初はジェローム・カーンが音楽を手がける予定だったが急逝し、バーリンがスコアを一新した。戦後の1946年初演で大成功を収め、本曲も人物紹介的なコミック・ナンバーとして役割を果たした。

有名な演奏・映画での使用

初演のオリジナル・キャスト盤でのエセル・マーマン歌唱が定番。1950年のMGM映画『アニーよ銃をとれ』でも用いられ、映画版ではベティ・ハットンがエネルギッシュに披露。以後の各国上演や1999年のブロードウェイ再演などでも欠かせない場面曲として継続している。

現代における評価と影響

今日では、ミュージカル入門者にも歌いやすいコミック・ソングとして、レッスンや学校・地域劇団のレパートリーに定着。覚えやすい旋律と語り口の巧みさは、バーリンの職人芸を示す教材とも評される。一方、作品全体には時代性ゆえの表現もあり、上演で文言調整が行われる場合がある。

まとめ

「Doin' What Comes Natur'lly」は、技巧誇示より“自然体”の魅力でキャラクターを立てる模範的ショー・チューン。物語を推進しつつ観客に笑いと共感をもたらす。オリジナル・キャストから映画、近年のリバイバルまで録音が豊富で、作品理解の入口にも最適だ。