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Every Breath You Take

  • 作曲: SUMNER GORDON MATTHEW,STING
#洋楽ポップス
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Every Breath You Take - 楽譜サンプル

Every Breath You Take|歌詞の意味と歴史

基本情報

ザ・ポリスが1983年に発表した代表曲。アルバムSynchronicityからのシングルとして世界的ヒットを記録し、全米・全英チャートで首位を獲得。作曲はSting(本名Gordon Matthew Sumner)。同年のグラミー賞で最優秀楽曲賞と最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)を受賞。ミニマルな編成と印象的なギター・リフが特徴で、バンドの最大の成功曲の一つとして知られる。

歌詞のテーマと意味

一般にラブソングと受け取られがちだが、実際には執着や監視に近い視線を描く。一人称の語り手が相手の一挙一動を見張るような情景が連なり、所有欲やコントロールの欲望が滲む。穏やかなメロディと対照的な不穏さが、関係性の歪みを浮かび上がらせ、恋愛の甘さではなく依存と境界の問題を提示する。誤読される理由は、柔らかなサウンドと普遍的な言葉遣いが安心感を与えるためであり、その二面性こそが本作の核である。

歴史的背景

ニュー・ウェーブ以降のポップが成熟した時代に生まれ、バンド内の緊張関係と個人的葛藤が折り重なる制作期に完成。スタジオでの徹底したミニマリズムとアレンジの引き算が志向され、躍動感よりも静かな圧を保つ設計が採られた。MTV時代の到来とも重なり、世界的露出の波に乗って一気に普及した。

有名な演奏・映画での使用

モノクロームのパフォーマンス主体のミュージック・ビデオが象徴的で、MTVで高い回転率を誇った。映像作品では、ドラマStranger Things シーズン2のダンス・シーンで効果的に用いられ、世代を超えて楽曲の認知が更新された。カバーや編曲は数多く、ジャズやクラシック寄りの解釈でも取り上げられている。

現代における評価と影響

本作はしばしば「究極のラブソング」と誤読される一方で、ストーキングや境界意識を考えるテキストとして批評的言及も多い。2019年にはBMIにより同団体レパートリーで最も演奏された楽曲の一つとして位置づけられ、ラジオ、プレイリスト、SNS動画など現在の消費環境でも存在感を維持。さらに、1997年のヒップホップ曲I'll Be Missing Youが旋律を引用し、ポップ以外の領域にも影響が広がった。

まとめ

柔らかなサウンドと冷ややかな視線のギャップが、普遍的な魅力と余韻を生む一曲。恋愛の理想像ではなく、関係性の影の側面を描いた点が時代を超えて響き続ける理由であり、ザ・ポリスの芸術性を示す名曲である。