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Evil Ways

  • 作曲: HE,NRY CLARENCE ARTHUR,HENRY SONNY
#洋楽ポップス
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Evil Ways - 楽譜サンプル

Evil Ways|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Evil Ways」は、作曲家クラレンス“ソニー”ヘンリーによる楽曲。初録音はラテン・ソウルの名手ウィリー・ボボが1967年に残し、その後サンタナが1969年のデビュー・アルバム『Santana』に収録。シングルとして発表され、1970年に米Billboard Hot 100で9位を記録した。グレッグ・ローリーのヴォーカルとオルガン、カルロス・サンタナのギター、コンガやティンバレスの熱いパーカッションが織りなすラテン・ロックの代表曲で、レーベルはColumbia。現在もライヴの定番として親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋人に対し「良くないふるまいを改めてほしい」という切実な訴えが核にある。信頼や誠実さ、互いを思いやる姿勢を求め、感情の高まりをシンプルで直接的な語り口で表現。リズムの推進力に乗せて同じフレーズを反復することで、決断を迫る緊張と、関係を立て直したいという希望が同時に強調される。説教ではなく対話を志向する点が、多くのリスナーに共感を呼んできた。

歴史的背景

1960年代後半、サンフランシスコを中心にロックとアフロ・キューバン由来のリズムが融合し、ラテン・ロックが勃興した。ヘンリーのペンによる本曲は、ラテン・ソウル/ブーガルーの感覚を保持しつつ、ロック・バンドの編成へ自然に移植された好例である。サンタナ版はブルースのコード感、モーダルなギター・アプローチ、打楽器群のポリリズムが交差し、1969年当時のクロスオーバーの潮流を象徴するサウンドを提示した。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音としては、ウィリー・ボボ(1967)とサンタナのスタジオ版(1969)が挙げられる。以降もサンタナの各時期のライヴ音源でたびたび取り上げられ、オルガン・ソロとギター・ワウ奏法の掛け合いは鉄板の聴きどころとなった。映画・ドラマでの具体的な使用例は情報不明だが、クラシック・ロック系のプレイリストやラジオで長年定番扱いを受けている。

現代における評価と影響

「Evil Ways」は、ラテンの打楽器をロックの骨格に組み込み、英語詞のポップ・フォームに落とし込んだ点で教科書的な位置を占める。バンド・カバーのレパートリーとしても人気が高く、16ビートのグルーヴ維持、コール&レスポンス、短いモチーフ反復の設計など、アンサンブル教育の題材としてもしばしば参照される。サンタナの入門曲として、新たな世代にも継続的に聴かれている。

まとめ

ソニー・ヘンリーのペンから生まれ、ウィリー・ボボを経てサンタナが世界的ヒットへと押し上げた本曲は、ラテン・ロックの魅力を凝縮した一曲である。率直なメッセージ性とダンサブルな躍動感が結び付き、半世紀を超えて色褪せない。歌詞の主題、歴史的文脈、演奏上の勘所を知ることで、その普遍性がいっそう鮮明になる。