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For Me and My Gal

  • 作曲: MEYER GEORGE W,GOETZ E RAY,LESLIE EDGAR
#スイング#スタンダードジャズ
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For Me and My Gal - 楽譜サンプル

For Me and My Gal|歌詞の意味と歴史

基本情報

1917年に発表された米国のポピュラー・ソング。作曲はGeorge W. Meyer、作詞はEdgar LeslieとE. Ray Goetz。耳に残る親しみやすい旋律と明快なコーラスで広く歌われ、出版楽譜とステージを通じて人気を博した。ティン・パン・アレー由来の楽曲らしく、家庭のピアノやヴォードヴィルの現場で普及し、現在も英語圏でよく知られる古典的ナンバーである。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、結婚を控えた恋人たちを祝福する明るい内容で、街じゅうが鐘の音とともに二人の門出を見守るという構図が核。難解な比喩を避け、参加型の呼びかけが多く、観客が一体となって歌いやすいのが特徴である。個人の愛情がコミュニティの祝祭と自然に接続され、幸福の共有を掲げるメッセージがストレートに届く。こうした普遍性が時代を超えて支持される理由といえる。

歴史的背景

本曲は第一次世界大戦期、ティン・パン・アレーの全盛時代に誕生。音楽産業の中心はレコードよりも楽譜販売にあり、家庭音楽と巡業舞台が重要な拡散経路だった。社会が不安定な時局にあっても、祝福と希望を描くこの曲は娯楽として歓迎され、多くの聴衆に安堵と活力を与えた。その平明な構成は、当時の歌唱スタイルや会場の参加性ともよく噛み合っている。

有名な演奏・映画での使用

この曲を決定的に広めたのが、MGM映画『For Me and My Gal』(1942)。ジュディ・ガーランドとジーン・ケリーが躍動的にデュエットし、ケリーの映画デビュー作としても知られる。作品は第一次大戦期を舞台に、曲の祝祭性を物語の要所に配し印象を強めた。以後もリバイバル公演やコンサート、レヴューで頻繁に取り上げられ、録音も多く残る。

現代における評価と影響

今日ではアメリカン・ポピュラー・ソングの古典として、合唱、レヴュー、学校公演などで親しまれる。明朗なメロディと分かりやすい歌詞の構造は導入しやすく、観客参加型のステージでも効果的に機能する。アレンジの幅も広く、時代ごとにテンポや伴奏様式を変えながら受け継がれ、スタンダード・レパートリーの核を成している。

まとめ

『For Me and My Gal』は、結婚の喜びを軸に共同体の祝祭感を描いた1917年の名曲。映画での名演を経て大衆文化に根づき、いまも歌い継がれている。過度な技巧に頼らず誰もが口ずさめる普遍性こそが魅力で、舞台構成やイベントのハイライトとしても活躍する不朽のポップ・ソングである。