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The Glow Worm

  • 作曲: LINCKE PAUL (NON PROTECTED SHARES)
#スイング#スタンダードジャズ
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The Glow Worm - 楽譜サンプル

The Glow Worm|楽曲の特徴と歴史

基本情報

ポール・リンケ作曲「The Glow Worm(原題:Glühwürmchen)」は、1902年のオペレッタ『Lysistrata』の挿入曲として生まれた旋律。後に英語詞が付され、ポピュラー/ジャズ分野でも親しまれる。作詞は原詞がHeinz Bolten-Baeckers、英訳がLilla Cayley Robinson、さらに1952年にJohnny Mercerが英語詞を加筆。初演地や細部の初演データは情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽やかで耳に残る主題が段階進行で上行し、応答句が優雅に寄り添う構成。明るい長調と流麗な和声進行が特徴で、ダンス的なリズム感が生む弾むニュアンスが魅力。ジャズではスウィングのフィールやスキャット、コール&レスポンスを取り入れたアレンジが定番。器楽版では木管のレガートやストリングスの柔らかな伴奏が映える。

歴史的背景

ドイツ帝都ベルリンで栄えた世紀転換期のオペレッタ文化の中で誕生。リンケは『Frau Luna』で知られるが、本曲も同様に大衆的で親しみやすい旋律美が評価された。1907年に英語版が出版され、欧米の音楽市場へ広がる基盤が形成。戦後には米国のエンタテインメント産業の中で再注目され、スタンダード化が進んだ。

有名な演奏・録音

1952年、The Mills Brothersがジョニー・マーサーの改作詞を用いたヴァージョンで大ヒットを記録。以後、ビッグバンドからコーラス・グループ、イージーリスニングのオーケストラまで幅広く録音されている。放送用のショウ・メドレーや学習用アレンジにも採られ、時代や編成を超えて愛奏曲として定着した。

現代における評価と影響

今日ではライト・クラシカルとポピュラーの橋渡しをする代表例として言及されることが多い。耳に残るモチーフは編曲の自由度が高く、子ども向け合唱からジャズ・ヴォーカル、吹奏楽まで用途が広い。CMや舞台音楽で旋律の断片が用いられることもあり、世代を超えた認知を維持している。具体的なタイアップ情報は情報不明。

まとめ

オペレッタ由来の親しみやすさと、ジャズ/ポップスで磨かれた華やかさを併せ持つ一曲。出自は19世紀末のベルリン楽壇に根ざしつつ、英語圏での再解釈を経て国際的スタンダードへと成長した。演奏者にとっては旋律美をどう生かすか、編曲者にとっては多様な語法で魅力を引き出せる格好の素材といえる。