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Hindustan

  • 作曲: WEEKS HAROLD
#ジプシージャズ
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Hindustan - 楽譜サンプル

Hindustan|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Hindustanは、Harold Weeks作曲の楽曲で、1918年に発表されたダンス由来のナンバー。現在はジャズ・スタンダードとして広く演奏される。作詞者は情報不明。演奏調やテンポは編成により可変で、ディキシーランドからスウィングまで幅広いスタイルに対応する。

音楽的特徴と演奏スタイル

耳に残る主題は、半音階的な装飾やオリエンタル趣味のモチーフが印象的。二拍子のツービート感で始め、後半をフォービートに展開するアレンジも多い。集団即興やコール&レスポンス、ブレイクの挿入が効果的で、クラリネットやトランペットのリード、トロンボーンのスミア、バンジョーやストライド・ピアノの伴奏がよく映える。

歴史的背景

第一次世界大戦末期のアメリカでは、舞曲ブームと異国趣味が流行。タイトルの“Hindustan”はかつてインド亜大陸を指す語で、当時のティン・パン・アレーの潮流を反映する。ただし音楽的にはインド古典音楽の様式を直接踏襲しておらず、欧米のダンス・ソング語法の中でエキゾチックさを表現した作品といえる。

有名な演奏・録音

1920年代以降、多数のダンス・バンドやディキシーランド系コンボが録音し、78回転盤やラジオで広まった。ショウの幕開けやクラリネット/トランペットのフィーチャー曲として定番化。決定的名演の特定や初出録音の詳細は資料により異なり情報不明だが、現在でも伝統的ジャズのステージで頻繁に取り上げられている。

現代における評価と影響

明快な旋律と親しみやすい和声進行により、セッションでも合わせやすい曲として評価が高い。エイト分音符のフィーリング、二拍子の推進力、ストップタイムの扱いなど、初期ジャズの語法を学ぶ教材曲としても有用。一方、題名に含まれる文化的表象については現代的配慮が求められる場合がある。

まとめ

Hindustanは、踊れるダンス感覚とキャッチーな主題、即興映えする構造を兼ね備えた1910年代発の名曲である。編成やテンポを柔軟に変えながらも、ツービートの推進力と印象的なメロディを軸に個性を出せる点が魅力。歴史的背景を理解しつつ、今日的な感性で演奏・鑑賞したい一曲だ。