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Hot Rod Lincoln

  • 作曲: RYAN CHARLES S,STEVENSON W S
#洋楽ポップス
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Hot Rod Lincoln - 楽譜サンプル

Hot Rod Lincoln|歌詞の意味と歴史

基本情報

Hot Rod Lincolnは、チャーリー・ライアン(Charlie Ryan)とW.S.スティーヴンソンによるカーミュージックの古典で、ロカビリー/カントリー系のアップテンポ曲。語り口調のヴォーカルと跳ねるリズム、鋭いトワング系ギターが特徴。原曲はシンプルなバンド編成で、後年のカバーではスティール・ギターやピアノが加わることも多い。公表年は資料により表記差があり、1950年代半ばの作品とされることが多い。改造車文化を象徴するタイトルと、疾走感あふれるアレンジが耳を引く。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、リンカーンのエンジンを積んだ改造フォードを駆る若者が、ハイウェイでの競走に挑み、加速に次ぐ加速の末に警察沙汰へ発展する顛末を、ユーモラスに一人称で語る。車種や改造箇所、ギアや回転数などの語彙が多く、当時のホットロッド文化への愛情と自負がにじむ。同時に、スピードの陶酔と危険、そして最後に残る教訓めいたオチが並置され、痛快さと自制のバランスがとられている。全文引用は避けるが、要は“走りの快感と代償”を描いた物語歌であり、車好きに限らず物語性のある歌としても楽しめる。

歴史的背景

本作は、1950年のヒット曲“Hot Rod Race”(Arkie Shibley)へのアンサーとして書かれたと広く伝えられる。チャーリー・ライアンが自作自演し、その後ジョニー・ボンドがカバーして普及。1971年にはコマンダー・コディ&ヒズ・ロスト・プラネット・エアメンのバージョンが全米チャートでトップ10圏内の成功を収め、カントリーとロックを横断する定番として地位を確立した。アンサーソングの系譜に位置づけられ、車社会の象徴的トピックを音楽で語る流行の一端を担った点でも重要である。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、チャーリー・ライアン版、ジョニー・ボンド版、コマンダー・コディ版が挙げられる。特に1971年版はエネルギッシュなブギ調のバンドサウンドと語りの間合いが名高く、ラジオで長く愛される定番となった。映画・テレビでの具体的な使用例は情報不明だが、カー・カルチャー系の映像やイベントのBGMとして親しまれてきたことは確かで、車関連メディアの文脈でたびたび参照される。

現代における評価と影響

ホットロッド/ドラッグレース趣味の象徴的ソングとして、クルマ好きのコミュニティやクラシック・カントリー/ロカビリーのイベントで今も愛唱される。語りとバンドのドライヴ感の噛み合わせは、トーキング・スタイルの語り物ロックやオルタナ・カントリーにも通じ、カバーや引用が絶えない。運転中のプレイリスト、旧車ミーティングの選曲、ラジオの“ドライヴィング・ソング”特集でも定番として機能し、世代を超えてリスナーを惹きつけている。

まとめ

Hot Rod Lincolnは、車文化への敬意とスピードのスリルを軽妙に封じ込めた物語歌。アンサーソングの歴史性と、痛快な演奏の即効性を併せ持ち、多彩なカバーが示す通り普遍性の高い一曲である。