アーティスト情報なし
Hopelessly Devoted to You(Grease)
- 作曲: FARRAR JOHN
Hopelessly Devoted to You(Grease) - 楽譜サンプル
Hopelessly Devoted to You(Grease)｜歌詞の意味と歴史
基本情報
「Hopelessly Devoted to You(Grease)」は、映画『グリース』（1978年）の劇中でサンディ役のオリビア・ニュートン＝ジョンが歌う叙情的バラード。作曲者はFARRAR JOHN（ジョン・ファラ―）で、作詞も同氏。舞台版には含まれていなかった楽曲として映画のために書き下ろされ、サウンドトラックからシングルとして発売された。ゆったりしたテンポと豊かなストリングス、ピアノを核にしたアレンジで、歌唱の表情を前面に出す構成が特徴だ。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、相手への想いを諦めきれず“どうしようもなく捧げている”という自己告白を軸に、揺れる心と自己受容を描く。恋が思うように進まない不安や自尊心の痛みを抱えながらも、最終的に自分の気持ちに正直であろうとする決意を表明する内容だ。劇中の文脈では、サンディが戸惑いを抱えつつも自らの愛情を認める転機の場面を担い、彼女の内面の強さと脆さを同時に浮かび上がらせる。
歴史的背景
『グリース』は50年代アメリカを舞台にした人気舞台の映画化で、1978年に世界的ヒットとなった。その過程で、オリビア・ニュートン＝ジョンの音楽的個性を生かすために、プロデューサーでもあったジョン・ファラ―が新曲を提供し、本曲が追加された。リリース後は各国でヒットし、米国Billboard Hot 100で3位、英国シングルチャートで2位を記録。さらに第51回アカデミー賞では歌曲賞にノミネートされ、映画とサウンドトラック双方の成功を象徴する一曲となった。
有名な演奏・映画での使用
映画では、サンディがひとり思いを募らせて歌う重要なソロとして登場し、ニュートン＝ジョンの伸びやかな高音と丁寧なフレージングが強い印象を残す。以後、本人のコンサートでも定番曲となり、多くの歌手にカバーされてきた。映画版の成功を受け、後年の『グリース』舞台公演でも本曲が採用されるプロダクションがあり、作品世界の感情の核を担うナンバーとして定着している。
現代における評価と影響
現在もオリビア・ニュートン＝ジョンの代表的バラードとして広く認知され、カラオケやオーディションで選ばれる定番曲。シンプルなコード進行とメロディの起伏、息の長いフレーズを支えるブレスコントロールが要求されるため、ボーカル表現の教材としても引用されることが多い。映画と一体化した物語性をもちながら、単独のラブソングとしても成立する普遍性が、長期的な人気を支えている。
まとめ
映画用に書き下ろされた一曲が、登場人物の内面を描く名バラードとして独自の生命を得た好例。ジョン・ファラ―の職人的ソングライティングと、オリビア・ニュートン＝ジョンの繊細な歌唱が結びつき、世代を超えて愛され続けるスタンダードとなっている。