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I Almost Lost My Mind

  • 作曲: HUNTER IVORY JOE
#洋楽ポップス
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I Almost Lost My Mind - 楽譜サンプル

I Almost Lost My Mind|歌詞の意味と歴史

基本情報

1950年にIvory Joe Hunterが発表したR&B/ポップ・バラード。作詞作曲は本人(HUNTER IVORY JOE)。ピアノを中心とした穏やかな伴奏と、胸に迫るメロディが特徴で、オリジナルはR&Bチャートで大きな成功を収めた。後年まで多くの歌手に歌い継がれるスタンダードとして位置づけられている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、愛する人を失った喪失感と動揺を一人称で吐露する内容。心が折れ、理性を失いかけた瞬間の弱さと、それでもなお相手を求める切実さを反復表現で強調する。物語性はシンプルだが、言葉の余白が大きく、歌い手の解釈で哀切から静かな諦念まで幅広いニュアンスを与えられる点が魅力である。

歴史的背景

第二次大戦後のアメリカではR&Bが急速に台頭し、ポップ市場との越境が進んだ。本作はその潮流の中心にあり、オリジナル録音が全米R&Bチャートで首位となるヒットを記録。さらに1956年、Pat Booneによるカバーが全米ポップ・チャートで1位を獲得し、曲の知名度を決定づけた。黒人R&Bの名曲が白人ポップ歌手により主流市場で再解釈される当時の産業慣行を象徴する一例でもある。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、Ivory Joe Hunterのオリジナルに加え、Pat Booneのポップ・バージョンが特筆される。加えて、Nat King Coleなど著名歌手によるカバーも知られ、各歌手の声質やアレンジで感触が大きく変わるのが面白い。映画での顕著な使用については情報不明だが、オールディーズ系のコンピレーションやラジオ番組で定番的に取り上げられてきた。

現代における評価と影響

今日では、1950年代アメリカ音楽のクロスオーバーを理解する上で欠かせない楽曲として評価される。シンプルな和声進行と旋律美は、ジャズ寄りの解釈からカントリー風の語り口まで受け止める懐の深さを持ち、シンガーの表現力を試す教材としても親しまれている。配信時代においてもストリーミングで継続的に聴かれ、世代を超えて共感を集めている。

まとめ

失恋の痛みを普遍的な言葉と旋律で描いた「I Almost Lost My Mind」は、R&Bとポップをつなぐ橋渡しとなった名曲である。時代背景と多様なカバーの歴史を知ることで、シンプルな一曲に秘められた文化的厚みがいっそう鮮明になる。