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I Believe
- 作曲: DRAKE ERVIN M,STILLMAN AL,GRAHAM IRVIN,SHIRL JIMMY

I Believe - 楽譜サンプル
I Believe|歌詞の意味と歴史
基本情報
I Believeは、DRAKE ERVIN M、STILLMAN AL、GRAHAM IRVIN、SHIRL JIMMYの4名によって1953年に書かれたポップ・バラード。テレビ歌手Jane Fromanの番組で紹介され、以後、幅広い世代に親しまれるスタンダードとなった。宗教曲に分類されることもあるが、特定の宗派を前面に出さない普遍的なメッセージが特徴で、慰めや励ましの場面でしばしば歌われてきた。
歌詞のテーマと意味
本曲の核心は「信じること」の力にある。日常のささやかな出来事や自然の営みの中に希望や善意の兆しを見いだし、人を信じ、明日を信じる姿勢を静かに提示する。断定ではなく、穏やかな確信を重ねる語り口によって、聴き手自身が内面の信念を見つめ直す構造になっている点が印象的だ。明確な説教調を避け、個人的な祈りのようなトーンで普遍性を獲得しており、宗教的背景の異なる聴衆にも受け入れられてきた。
歴史的背景
1953年という時代は、戦後から冷戦期へと移る不安のただ中にあった。I Believeは、テレビ黎明期の全米家庭に届く番組の締めくくりとして紹介され、日常に寄り添う形で“希望の歌”として浸透した。その後、複数のアーティストが録音を残し、放送やレコードを通じて急速に普及。とりわけイギリス市場での成功が目立ち、アメリカ発のバラードが大西洋を越えて定番化していく流れを象徴する一曲となった。
有名な演奏・映画での使用
最も著名なのはFrankie Laineの録音で、英国シングル・チャートで通算18週の1位を記録し、歴史的ヒットとして知られる。初紹介者であるJane Fromanの歌唱も重要で、テレビ放送を通じて楽曲のイメージを決定づけた。さらに1995年にはRobson & Jeromeがカバーを発表し、英国で再び大きな反響を呼んだ。映画での明確な使用例は情報不明だが、テレビや式典、記念コンサートなどで取り上げられる機会は多い。
現代における評価と影響
I Believeは“信じる理由を静かに数える”構成が現代にも通用するため、カバーや合唱アレンジが継続的に生まれている。過度な技巧に頼らずメロディと言葉が前に出る設計は、シンガーの表現力を際立たせ、オーディション番組や追悼の場面でも選ばれやすい。Frankie Laineの英国記録は今なお語り草で、ポップ・スタンダードとしての地位は揺るがない。
まとめ
I Believeは、派手さよりも誠実なメッセージで時代を超えてきた稀有なバラードである。1953年の誕生から今日まで、希望と信頼を優しく語る歌として、放送・レコード・舞台で歌い継がれている。映画での使用は情報不明だが、名演の蓄積と普遍的なテーマが、その価値を確かなものにしている。