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I Have Dreamed
- 作曲: RODGERS RICHARD

I Have Dreamed - 楽譜サンプル
I Have Dreamed|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Richard Rodgers作曲、Oscar Hammerstein II作詞によるミュージカル『王様と私』(1951年初演)の一曲。恋人トゥプティムとルン・タが密やかな想いを交わすデュエットとして書かれ、後年はスタンダードとして独立して親しまれている。初演時の細部や原調など一部は情報不明だが、舞台で親密な場面を彩るナンバーとして機能した。
音楽的特徴と演奏スタイル
柔らかなバラードで、息の長い旋律線が最大の魅力。レガート中心の歌唱に適し、ジャズではルバートの導入から4/4のバラード・フィールへ移行する演奏が定番。和声はロジャースらしい滑らかな進行で、再ハーモナイズや穏やかな転調を採る編曲も多い。器楽ではテナーサックスやフリューゲルホーンがよく映える。
歴史的背景
第二次大戦後のブロードウェイ黄金期に誕生。ロジャース&ハマースタインは物語と音楽の統合で評価を確立し、本曲も登場人物の内面を繊細に照らすナンバーとして位置づけられた。映画版での扱いなど一部詳細は情報不明だが、舞台の成功を通じ広く知られるようになった。
有名な演奏・録音
ドリス・デイはアルバム『I Have Dreamed』(1961)でタイトル曲として取り上げ、楽曲の普及に寄与。フランク・シナトラも録音を残し、バーブラ・ストライサンドは『王様と私』楽曲のメドレーの一部として歌唱した例がある。以後、多数のジャズ・ボーカル/器楽家がレパートリーに加えている。
現代における評価と影響
今日では、叙情的バラードの基礎を学ぶ教材曲としても重宝され、オーディションやリサイタルの選曲で見かける機会が多い。歌詞の全文掲載は避けるが、理想の愛を静かに思い描くテーマは普遍性が高く、年代やジャンルを超えて共感を呼び続けている。
まとめ
舞台発のラブ・バラードとして生まれ、ジャズ・スタンダードへと定着した名曲。旋律の美しさと解釈の余地が、演奏家と聴き手の想像力をいまも刺激する。