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I Hear A Rhapsody

  • 作曲: FRAGOS GEORGE, BAKER JACK DANIELS, GASPARRE DICK
#スイング#スタンダードジャズ
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I Hear A Rhapsody - 楽譜サンプル

I Hear A Rhapsody|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「I Hear A Rhapsody」は、George Fragos、Jack Baker、Dick Gasparreの共作による1940年のポピュラー・ソング。のちにジャズ・シーンで定番化し、歌詞付きでも器楽でも広く演奏される。初演や初出の詳細は情報不明だが、同時期に複数の録音が普及に寄与した。

音楽的特徴と演奏スタイル

抒情的な旋律と流麗な和声が核。バラードでは叙情を、ミディアム以上ではスウィング感と推進力を発揮する。機能和声に基づく明快な進行のため、ガイドトーン連結やモチーフ反復でメロディックに即興しやすい。リハーモナイズやラテン化、ルバート導入など多彩なアレンジが相性良い。歌詞を伴う場合はフレーズの呼吸点が表情を決め、器楽ではブレスや弓使いの間合いが音楽的起伏を生む。

歴史的背景

1940年前後はビッグバンド全盛で、ラジオとレコードが新曲拡散を後押しした。本曲もその流れで認知を広げ、翌年には複数の録音がヒットしたとされる。ジミー・ドーシー楽団やチャーリー・バーネット楽団の演奏が知られ、ポップス発の曲がジャズへ根付く橋渡しとなった。映画や舞台での初出情報は情報不明だが、大衆文化の回路を通じてスタンダード化した典型例である。

有名な演奏・録音

モダン・ジャズ解釈ではジョン・コルトレーンの演奏が著名で、歌心を保ちながら緊張感あるハーモニー運用を示す。ほかにも多数のサックス奏者やピアノ・トリオ、ギタリストが録音し、ボーカルでも多くの名手が取り上げた。特定テイクの決定版に依存せず、編成やテンポ選択、リハーモによって多様な表情が生まれる点が魅力である。

現代における評価と影響

現在もセッションで頻繁に取り上げられ、初学者にはメロディと和声の基本を、上級者には表情の幅とリハーモの余地を提供する。教材や譜面集の掲載状況は情報不明だが、実演現場での定着度は高い。バラードとミディアムの双方で機能する汎用性は、レパートリー構築やセットリスト運用の観点でも価値が大きい。

まとめ

旋律美と即興の自由度を兼備した稀有なスタンダード。ビッグバンド時代のヒットを起点に、モダン以降も解釈を更新し続けてきた。入門者の学習曲としても、表現を深めたい奏者の研究素材としても有効で、長く向き合う価値のある一曲である。